ロシアによる侵攻が続くウクライナで、国外への避難をめぐりアフリカ人が不公平な扱いを受けたという報告があったとして、 ナイジェリア政府やアフリカ連合(AU)が人種差別に抗議していた問題。
ウクライナのクレバ外相は日本時間3月2日、Twitterで「解決のために尽力する」と表明した。
バスや電車の乗車拒否を訴え
2月28日にナイジェリア政府はTwitterで、ポーランドとの国境に向かうバスや電車に乗ろうとすると拒否された人などがいたとして、国境警備隊の対応に抗議していた。ウクライナ国内には、主に学生を中心とした4000人以上のナイジェリア人が留まっていたという。
「誰もが尊厳を持って扱われることが最も重要だ」とし、「紛争から避難するすべての人が、国際法にもとづき安全に国境を超える権利を持っており、パスポートや肌の色に違いはありません」と訴えた。
同日、アフリカ55の国・地域を代表するアフリカ連合(AU)も、事務局長であるセネガルのサル大統領とムーサ・ファキ・マハマト委員長が共同声明を発表した。
「アフリカ人が、容認しがたい差別的な扱いの対象とされているとの報道は、衝撃的な人種差別であり、国際法に違反するだろう」と指摘。すべての国に対し、「人種的なアイデンティティにかかわらず、紛争から逃れるすべての人々に、等しく共感と支援を示すよう」求めた。
3月1日には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ氏が会見で、国外への避難において、「ウクライナ人と、ウクライナ人ではない人との間で異なる扱い」があったとし、「どんな人も平等な扱いを受けられるよう、介入を続けていく」と述べた。
「安全に母国に戻るための平等な機会を」
こうした状況を受け、2日にウクライナのクレバ外相はTwitterで、「避難を求めるアフリカ人は私たちの友人であり、安全に母国に戻るための平等な機会を持つ必要があります」と投稿。「ウクライナ政府はこの問題を解決するために尽力します」とつづった。
UNHCRによると、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、60万人以上がウクライナから避難している。
※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。