2月8日、北京オリンピック・フィギュアスケートの男子ショートプログラム(SP)が行われた。
日本勢からは、鍵山優真選手が五輪初出場にして108.12点と高得点で2位に。宇野昌磨選手は3位、羽生結弦選手は4回転サルコーの失敗が響き8位につけた。
ミスはあったが、三者三様に完成度の高い演技で観客を魅了。オリンピック出場経験のあるプロフィギュアスケーターの安藤美姫さんと織田信成さんも、北京での3人の健闘を称えた。
「不運な部分もあったけど…」
フィギュアスケートの2010年バンクーバー五輪男子代表で、現在はプロスケーターや解説者として活躍する織田信成さん。羽生選手とは親交が深いことでも知られている。
五輪3連覇を目指す羽生選手。SPの冒頭で4回転サルコーを予定していたが、1回転となる失敗。その後の記者会見では、飛べなかった理由は「(氷上の)穴に乗っかった」ためだといい、「今日のミスは自分ではどうこうしようのないところだった」と振り返った。
織田さんは「不運な部分もあったけど、その後完璧に滑り切った精神力は強すぎる!」と、序盤の失敗を挽回するようなその後の見事な滑りを賞賛した。10日に迫るフリーでは「彼の思い描くように楽しくのびのび滑ってほしいな!」と期待を込めた。
また、団体戦にも出場した宇野選手については、団体戦でのCSsp(※編集部注:チェンジフットシットスピン)とStsq(※編集部注:ステップシークエンス)の取りこぼししっかり修正したのはさすがっ!」と称え、「安定感がどんどん増してる感じあるからフリーも期待!!」とメッセージを送った。
五輪初出場にして高得点を叩き出した18歳の鍵山選手には、「最初のジャンプ向かうまでのあのスピードは本当に凄過ぎ!120%出た!!」とツイート。「ジャンプの加点多分えぐい、何より音楽表現がもうノリノリでオリンピックを楽しんでる感じが全身で伝わってきて、最高のプログラム!それをオリンピックで出来る強さよっ!」と興奮気味につづっている。
「今までで1番質が良かった!」
2010年バンクーバー五輪女子代表の安藤美姫さんは、自身のTwitterで、プロ選手の目線から今大会の演技の見どころや魅力を伝えている。
羽生選手の冒頭の4回転サルコーの失敗については、「コレがオリンピックなのかもしれない」としつつ、「ただ羽生選手のミスではない」とツイート。そして「そのミスを感じさせないほどに完成させられたショートプログラムは間違いなく私達の脳内に刻み込まれたと思います」と、羽生選手の演技に賞賛の言葉を送った。
宇野選手については、「冒頭の4回転は今までで1番質が良かった!」と、勢いあるスタートを切ったと分析。
コーチのステファン・ランビエールさんの名前をあげ、「ステファンの繊細な音の表現が宇野選手の感性に加わり本当にいい意味での重みあるスケート。クラシックの深みあるショートでした」と全体を総括した。
鍵山選手については「もぅ文句なしだったのではないでしょうか?」と絶賛した。
マイケル・ブーブレの「When You’re Smiling」の楽曲についても言及し、「明るい曲にあった若さ溢れるショートプログラムは本当に今の彼にピッタリな選曲だったなと思います。オリンピックを“楽しむ”という彼の気持ちがそのまま演技に現れましたね 凄い!!!」と、笑顔を見せながらの演技についてコメントした。
フィギュアスケート男子フリーは2月10日に行われる。羽生選手は17番目、宇野選手は22番目、鍵山選手は23番目にそれぞれ滑走する。