新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、自分や同居する家族が感染し、自宅療養となった場合、どのような点に気をつけたら良いのか。
東京iCDC専門家ボードの感染制御チームがまとめた『自宅療養者向けハンドブック』(2022年1月改訂版)をもとに、感染した本人や同居者が知っておくべき8つのポイントを紹介する。
1.部屋を分けましょう
できる限り部屋から出ないようにして、人との接触の機会を減らすことが大切だ。部屋を分けることができない場合は、少なくとも2メートル以上の距離をあけて、仕切りやカーテンでエリアを区切るようにする。
2.感染者の世話をする人は、できるだけ限られた人に
看病する人を1人に限定することで、接触のリスクを下げることができる。その場合、基礎疾患のある人が感染者の世話をすることはなるべく避ける。感染者の部屋に入る時は、感染者も看病する人もマスクを着用する。
3.正しくマスクをつける
マスクは、可能な限り不織布マスクを着用する。
<マスクの正しいつけ方>
・裏表を確認する
・ノーズピースを鼻の形に合わせる
・ひだを上下に伸ばし、下あごまでしっかり覆う
<マスクの正しい外し方>
・マスクの表面に触れず、ひもを持って外す
・外したマスクはその手でゴミ箱に捨てる
・手洗い、手指の消毒をする
4.こまめに手を洗う
洗った後は、自分専用のタオルか、ペーパータオルなどで水を拭き取りしっかり乾燥させる。家族でタオルを共用することは避ける。消毒用アルコールを準備しておくと良い。
5.こまめに換気する
感染者の部屋と、同居人がいる部屋の窓を常時5〜10センチ開けて換気する。難しい場合は、別々に1時間に1回、10分程度窓を大きく開けて空気を入れ替える。対角線上の窓を開けることで良い換気経路ができる。
6.手がよく触れる共用部分を掃除・消毒する
ウイルスのついた手で手すりやテーブル、ドアノブなどに触れることで、ウイルスが付着してしまい、同居者への感染の原因にもなる。ドアノブ、照明のスイッチ、リモコン、トイレのレバーなど手が触れやすい部分を消毒する。
7.汚れたリネン、衣服を洗濯する
タオルや衣類の共用は避ける。衣類や布団、枕カバーに嘔吐物などがついている可能性がある場合は、80度以上の熱湯で10分以上消毒をしてから通常の洗濯をする。熱湯消毒する際は、やけどに気を付ける。
8.ゴミは密閉して捨てる
鼻をかんだティッシュにもウイルスがついている。捨てる際はゴミ箱にビニール袋をかけ、そこに入れるようにする。ゴミ箱は感染者専用にする。ビニール袋をしばり、捨てたティッシュに手が触れないよう注意する。
ハンドブックでは、オミクロン株が全国で急速に広まっていることにも触れ、「これまで以上に、自宅療養者、家族・同居人などが、換気など基本的な感染対策や、感染を拡げないための行動をとることが重要です」と呼びかけている。