「スマホと100均のマクロレンズで簡単に、雪の結晶の写真が撮れます」
東京都や神奈川県など、関東で雪が降る1月6日、こんなツイートが話題になっている。
発信したのは、映画「天気の子」の気象監修やNHKドラマの「おかえりモネ」で気象資料提供などを務めた雲研究者、荒木健太郎さん(@arakencloud)。
6日朝に、「雪の結晶はスマホで撮影できます。100均のスマホ用マクロレンズを使うとスマホで手軽にとても綺麗な写真が撮れちゃいます。コツは最大ズームで接写して連写。マクロレンズつけて被写体から数cmでピントがあいます。関東のみなさま、雪が降ったらぜひ雪結晶観察をお試しください #関東雪結晶」とツイート。
午後2時時点で4000回以上リツイートされ、1万2000件のいいねがついています。
実際に撮影した画像を投稿する人も多く、盛り上がりを見せています。
スマホで雪の結晶、どうやって撮る?
用意するのは、スマートフォンと100均などで買えるスマホ用レンズ、暗い色の生地の3つ。
撮り方のコツについても、過去のツイートで説明しています。
詳しい撮影の仕方は気象研究所「#関東雪結晶 プロジェクト」のページにも載っています。
・暗い色の生地を背景にします。あらかじめ外で冷やしておくと雪結晶が融けにくくなります。
・雪結晶が着地してすぐがシャッターチャンスです。
・スマートフォンのカメラで最大ズームして接写して連写します。
・スマートフォン用マクロレンズなしだと約10cm、ありだと2~3cmまで近づくとピントが合います。
・少しの手ブレでもぼやけてしまうので連写しましょう。
・綺麗な樹枝状結晶だけでなく,綺麗ではない雪結晶も含めて沢山撮影をお願いします。
・個々の雪結晶をズームして接写するだけでなく,硬貨が映る程度の少し遠目でも撮影してみてください。
・霰(あられ)や凍雨,雹(ひょう)などはmm単位でスケールのわかるもの(ものさしや硬貨など)と一緒に撮影しましょう。
・スマートフォンやカメラ等の撮影機材が濡れて故障しないようお気をつけ下さい。
・しっかりと防寒し、周囲の安全を十分に確認の上で観測にご協力をお願いします。
雪結晶や氷晶などは121種類も
荒木さんは、「雪の結晶というと枝のはえた六花をイメージしがちですが、実は多様な姿をしています。雪結晶・氷晶・固体降水のグローバル分類では合計121種類もあります。
冬の空から舞い降りる雪結晶がどんな名前かチェックしつつ、一期一会の雪の子たちとの出会いを楽しんでみてください」と話します。
また、大規模な雪が降った際、写真の撮り方などを定期的に伝えている荒木さん。
その思いについて 、「『雪は天から送られた手紙である』という言葉があります。
これは物理学者・中谷宇吉郎博士が残したもので、雪の結晶は雪雲の気温や水蒸気の量によって結晶の形が変わるため、地上に舞い降りてきた雪を観察することで雲の状態がわかるというものです。
雪の結晶は顕微鏡などでしか見えないというイメージを持たれがちですが、大きな結晶は肉眼でも見えますし、スマホでマクロレンズを使えば鮮明な写真を簡単に撮影することもできます。
雪は身近に体験できる美しい自然ですので、ぜひ雪が降った際にはしっかりと防寒して観察し、雪結晶を楽しんでいただければと思います」と話しています。
また、関東の雪の正確な予測は現状でもまだ難しいことに触れ、「高精度な予測に向けてみなさんの撮影された雪結晶の写真を使用し、雪雲の実態解明をする市民参加型の研究「#関東雪結晶 プロジェクト」に取り組んでいます。
もしよろしければ雪結晶観察のついでに、研究にもぜひご参加ください」と呼びかけています。