年末年始にはカニをたらふく食べたい、と思う方もいることでしょう。スーパーなどの店頭には、ズワイガニやタラバガニが豊富に並びます。カニはきれいに身を取るのが難しいですが、上手に取るためのコツがあるそうです。
詳しい話を、船橋地方卸売市場の株式会社山末本部長、内海貴久さんに伺いました。
今年は海産物が全般的に高値
今年は石油が高騰していて船の燃料や運搬用の発泡スチロールなどの梱包材などが軒並み値上がりしているといいます。
「石油の高騰以外にも、コロナの影響で日本の飲食店の自粛が影響して買い控えがあったため、日本が輸入するはずだった海産物が他国へ流れてしまい、品薄になって値段が高騰しています。
カニ類で言うと、ズワイやタラバはもちろんですが、毛ガニにいたっては一昔前の5倍以上の値段になっています。これには市場の中でも驚きの声が上がっています」(内海さん)
値段が高いといっても、やはり年末年始にはカニを食べたいと思う方も少なくないでしょう。ウェザーニュースが行ったアンケート調査では、年末年始に「カニを食べる予定」と回答した人は28%と、4人に1人以上の割合でした(2021年12月21〜22日実施、8258人回答)。
せっかくのカニが上手に食べられず、身が殻の中に残ったりするともったいないですね。早速上手な食べ方を教えてもらいましょう。
折る場所と折り方にコツがある
まずは、ズワイガニを例にして説明してもらいました。
「上手にカニを食べるには、まずカニの構造を知ることが重要です。カニの脚の殻は甲羅側が色が濃くて硬く、腹側は色が薄くて柔らかいのです。甲羅がないズワイでも、脚の色が濃い薄いでツートンになっているのですぐわかります。
ズワイは脚を折って食べますが、脚を折る場所は、脚先側の関節のすぐ近くです。関節で折るのではなく、関節のすぐ近くの部分から甲羅側を手前にして、柔らかい腹側に向かって親指で押したらパキッと割れます」(内海さん)
「こうすると、身が殻からスルッと抜けます。関節で折ってしまうと腱だけが抜けますが、関節近くで折ると身が抜けるのでおすすめです」(内海さん)
ハサミを使って気持ちよく身を出す方法
ズワイはツルツルしているので、親指で押しても痛くありませんが、タラバや毛ガニは突起があったり、毛が生えていて痛い場合があります。
「タラバや毛ガニはハサミを使って気持ちよく身を出す方法があります。
キッチンバサミで、関節の内側の1cmぐらいのところを両方とも切り、筒のような状態にします。切り口の太い方を下に向けて握り、お皿を下に置きます。
準備ができたらカニを持った手を勢いよく振り下ろします。もう片方の手で振り下ろした手を受け止めれば、その勢いで身がスルッと気持ちよく飛び出してきます」(内海さん)
「一度で出なくても何度かやれば出てきます。出てきた身には腱が残っているので、それを抜けば簡単に食べることができます」(内海さん)
カニを食べると無口になるとよく言われますが、これなら家族皆さんで楽しく食べられそうですね。
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