松野博一官房長官は12月24日、記者会見で、2022年2月に中国で開かれる北京冬季五輪への政府関係者の派遣を見送り、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長ら3人が出席する、と発表した。
「外交的ボイコット」といった特定の名称は使わないとしたものの、香港や新疆ウイグル自治区などで中国が抱える人権問題を踏まえて、米国などと一定程度、歩調を合わせる方針だ。
「外交的ボイコット」には当たらない?
北京冬季五輪には、政府関係者は派遣せず、橋本聖子組織委会長、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が出席。パラリンピックには、日本パラリンピック委員会(JPC)の森和之会長が出席すると、松野官房長官が発表。
政府関係者を派遣しない理由について、松野官房長官は「国際社会における普遍的価値である自由基本的人権の尊重、法の支配が中国においても保障されることが重要。東京大会が示したように、オリンピックパラリンピックは世界に勇気を与える、平和スポーツの祭典であります。北京冬季大会への日本政府の対応についてはこれらの点をもう総合的に勘案して、自ら判断を行ったものであります」と説明。新疆ウイグル自治区などでの人権問題との関係性については、名言を避けた。
また、「アメリカなどが行う外交的ボイコットに当たるのか」という質問に対しては「日本政府として日本からの出席のあり方について特定の名称を用いることは考えていません。米政府の名を米政府の発表では、外交的ボイコットという言葉は用いていないと承知をしております」と答えた。
3人を派遣する理由は?
3人を派遣する理由を問われると、松野官房長官は「橋本会長は東京2020組織委員会の会長として、IOCの招待を受けて出席するものであります。
政府としても東京大会の成功を支援協力してくださった世界中のアスリートや大会関係者に感謝と敬意を表するために橋本会長が出席するのはありがたいと考えています。
山下会長および森和之会長はそれぞれ、IOCおよびIPCの招待を受け、JOCおよび、JPCを代表して出席されるものと承知をしています」と説明した。