あなたがネットユーザーなら、一度は見たことがあるであろうこの写真。
ハリウッド俳優のキアヌ・リーブス氏が、ひとりベンチに座り、俯いている。
この写真は2010年、Splash Newsが撮影したものだ。SNS上に投稿されると、あまりに哀愁が漂う姿から「Sad Keanu」(ぼっちキアヌ)として拡散。きょうに至るまで、さまざまなコラ画像が作られるなど、ネットアイコンのひとつとして愛されてきた。
「Sad Keanu」は、本当に悲しいシーンだったのか。
この写真の真相や当時の心境について、本人が12月14日、アメリカのトークショー「The Late Show with Stephen Colbert」で明かした。
リーブス氏が共同執筆したコミック作品『BRZRKR』の紹介が終わった後、司会が「ここに、とても興味深いひとコマがあります」と切り出し、例の写真が貼られたフリップを取り出した。
写真を見せられたリーブス氏は「ああ、それか」と苦笑い。司会が「“Sad Keanu”として馴染みがありますね」と説明しようとすると、リーブス氏は「ただ、サンドウィッチを食べていただけ!」と興奮気味に割って入った。
司会はその写真の横に、BRZRKRのキャラクターが写真のリーブス氏本人と同じようにベンチでうなだれているシーンのひとコマを並べた。
リーブス氏が「それを持ち出すのか」と言いたげな表情で、「OK」と更なる追及を受け入れる準備をした。
「“Sad Keanu”のあなたは、実際は悲しくなかったのですか?」と聞かれると、リーブス氏は「私は考えていた。思うことがあったんだ」と反論。「お腹が減っていたんだ」とも付け加えた。
2つの写真を見比べながら、BRZRKRを描いたイラストレーターの名前を挙げて 「彼がこうすることは知らなかった。これが彼がしたことだ。これはある種のメタだね」と語った。
そして、このシーンの説明や、イラストレーターの狙いを推察した。
「真相はわからないけど、私が思うに、彼がこの瞬間を(コミックに)取り入れることを決めた。BRZRKRが演じているのは、何かが起きるのをこうして待っている様子だ」
「『どのように自分は存在しているのだろう。どのように不滅の命を終わらせるのか』と考えて、そこに座っている」
「イラストレーターは、このミーム(画像ネタ)を、写真であろうとなんだろうと切り取って、コミックに取り入れたんだろうね」
リーブス氏は「これでおしまい」と言わんばかりに両手を挙げると、観客から拍手が巻き起こった。
司会は続けて「なぜあなたはミーム(画像ネタ)にされやすいのでしょうか。キアヌのミームは溢れています」と切り込んだが、「まったく見当もつかないよ」と困り果てた。