TikTok上に暴力事件の脅威が迫ることを示唆する噂が拡散したことで、米国にて多くの学校が17日(現地時間)に授業を中止、ないし閉鎖したことが明らかとなりました。しかし法執行機関や地元当局は、具体的に信ぴょう性がある情報や脅迫があった事実を確認していないとの声明を出しています。
The Vergeによると、TikTokでの脅威の報告は(特に事実の根拠がなく)自己増殖している可能性があるとのこと。これら投稿は「銃撃や爆弾の脅威があると思われるから、12月17日には学校を休むべきだ」と警告し、他の人にも同じような動画を作るよう促すというもの。さらに学校が警告に反応して授業を中止したことで、さらに新たな警告動画が登場する……という再生産を繰り返していた模様です。
TikTok社は法執行機関と協力して調査中であるものの「そうした脅迫がTikTo上で発生したり拡散した証拠は見つかっていない」と述べています。
しかし、The Vergeは「その脅迫が信憑性のあるものだという証拠はほとんどない」と曖昧な表現をしており、完全になかったとはしていません。その代わり学区や地元警察は「12月17日に銃撃や爆弾テロが起こるかもしれないと言及する傾向」は認識していたとのこと。
つまり17日に何かが起こると漠然と囁かれていたものの、これらは特定の学校に対する具体的な脅迫ではなく、学校全般に対する暴力の仄めかしだったようです。
ただしミネソタ州リトルフォールズのある学区では、州の公安局から「12月17日(金)を学校での銃撃や爆弾テロの脅威の日とするTikTokトレンドが出現した」 との通知を受けて、その日の授業を中止したそうです。現地サイトの投稿によると、法執行機関は聞き取り調査の結果、リトルフォールズ地区が「今回の脅迫に関するTikTokの投稿で具体的に特定された」と判断したとされており、学区や学校の名指しがあったと思われます。
こうしたバイラル投稿(口コミによる根拠に乏しい噂の拡散)により学校の運営が脅かされるのは、今回が初めてではありません。昨年だけでも、TikTokで「先生を叩く」チャレンジの投稿が流行したもののデマだったことが判明したり、子供たちに学校の財産を盗んだり傷つけるよう煽る動画が人気を集めたこともあります。
Tikokは10代の若者から絶大な人気を得ているサービスだけに、こうした事態が相次げば、いずれ公的な規制の圧力が強まっていくかもしれません。
Source:The Verge
(この記事は、2021年12月19日Engadget Japan『TikTok上で銃撃や爆破事件を警告する噂が拡散、全米で多くの学校が閉鎖』を転載しました。)
【関連記事】