Twitterアカウント『Dappi』による投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之参院議員、杉尾秀哉参院議員が東京都内のウェブコンサルティング会社に対し、計880万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が12月10日、東京地裁(小川理津子裁判長)であった。
小西議員らはこの訴訟に先立ち、『Dappi』の発信者情報の開示をプロバイダに対して求めた訴訟を起こし、東京地裁に開示が認められていた。投稿に使われたインターネット回線の契約者として開示されたのが、このウェブコンサルティング会社だった。
訴状によると、『Dappi』は2020年10月25日、森友学園をめぐる公文書改ざん問題について、「近財職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に自殺」などと投稿。小西議員らはツイートの内容は事実ではなく、名誉毀損にあたるとしている。
さらに、『Dappi』の投稿は平日に集中し、土日にはほとんど投稿がなされていないことなどから、「投稿を行ったのはこの会社の役員か従業員、または業務委託を受けた者であると推認される」と主張している。
被告は出廷しなかった。関係者によると、被告は答弁書で、請求棄却を求め、認否については調査の上明らかにするとしているという。
『Dappi』のTwitterアカウントは2019年6月に開設されて以来、5000件を超える投稿をしている。プロフィール欄には「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」とつづり、野党議員やマスコミの批判を繰り返し発信していた。
フォロワーは12月10日現在で17万8000人。アカウントは現在も残ったままだが、発信者情報の開示請求が認められた後の10月1日、菅義偉首相(当時)の投稿をリツイートして以降、更新されていない。
小西議員と杉尾議員は代理人を通じてコメントを発表した。
小西氏「訴訟を通じて、野党議員の活動のフェイクニュースを拡散し、日本の民主主義を歪めたツイッターアカウント Dappi の法的責任を明らかにしたい」
杉尾氏「訴訟を通じて私たちの名誉を回復させると共に、書き込みの背景に何があったのか解明したい。また、本訴訟がフェイクニュースに対する警鐘になればと考える」
次回の口頭弁論は2022年2月28日を予定している。