中国の前副首相から性的関係を迫られたなどと告発したテニスの彭帥選手が行方不明だと懸念されている問題で、中国共産党機関紙、人民日報系「環球時報」の編集長が11月21日、彭帥選手とされる映像をTwitterに投稿した。
女子テニス協会(WTA)は、映像が出たことを歓迎する一方で、彭帥選手が危険にさらされていないかどうかは「このビデオだけでは不十分だ」と声明で述べた。
Advertisement
投稿された映像は、彭帥選手がレストランに入る姿や、店内で笑顔で談笑する様子が映っている。環球時報の編集長は「コーチや友人とレストランでディナーをする彭帥選手の映像を入手した」とツイートし、北京時間の土曜に撮影された映像だと主張している。
動画の投稿を受けて、WTAは11月21日にチェアマン名で「北京のレストランに彭選手がいるのを示すような中国国営メディアの動画を目にすることできて、何よりだ」と表明。
「彼女の姿を見られるのはポジティヴなこと」と歓迎する一方で「彼女が自由で、強制や外部干渉のない言動ができているのかは、はっきりしていないままだ」と訴えた。
「彭選手の健康と安全や、性暴力被害の訴えが弾圧され闇に葬られることがなお気がかりだ」と懸念した。
この声明が出された後にも、環球時報の編集長は新たな動画を投稿。「彭選手が日曜の朝、少年少女テニスの決勝の開会式に登場した。私たちの写真記者が撮影した」と説明した。
Advertisement
動画には、関係者と並んであいさつする彭帥選手の姿が映っている。