10月31日に投開票された衆院選と合わせて実施された、最高裁判所の裁判官の「国民審査」について、総務省が結果を発表した。
審査対象となったのは11人で、解職を求める「×」はいずれも有効票の半数を超えず、解職される人はいなかった。
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定について、最高裁大法廷は2021年6月、「合憲」との憲法判断を示している。15人の裁判官のうち11人の多数意見によるものだった。
今回審査対象となった11人のうち、「合憲」と判断したのは、深山卓也氏、林道晴氏、岡村和美氏、長嶺安政氏の4人。「違憲」と判断したのは、宇賀克也氏、三浦守氏、草野耕一氏の3人だった。岡正晶氏、堺徹氏、渡辺恵理子氏、安浪亮介氏は当時、就任前だった。
就任前だった4人と、「違憲」と判断した3人への「×」の割合は5〜6%台だった一方、「合憲」と判断した4人は7%を超えた。
【「×」の投票数と、有効票における割合】
■深山卓也氏=449万554票(7.85%)
1954年9月2日生
元・東京高裁長官
2018年1月9日 最高裁判所判事
■岡正晶氏=357万697票(6.24%)
1956年2月2日生
弁護士出身、元・第一東京弁護士会会長
2021年9月3日 最高裁判所判事
■宇賀克也氏=393万6444票(6.88%)
1955年7月21日生
元・東京大学大学院法学政治学研究科教授
2019年3月20日 最高裁判所判事
■堺徹氏=356万5907票(6.24%)
1958年7月17日生
元・東京高検検事長
2021年9月3日 最高裁判所判事
■林道晴氏=441万5123票(7.72%)
1957年8月31日生
元・東京高裁長官
2019年9月2日 最高裁判所判事
■岡村和美氏=416万9205票(7.29%)
1957年12月23日生
元・最高検検事、元・消費者庁長官
2019年10月2日 最高裁判所判事
■三浦守氏=383万8385票(6.71%)
1956年10月23日生
元・大阪高検検事長
2018年2月26日 最高裁判所判事
■草野耕一氏=384万6600票(6.73%)
1955年3月22日生
弁護士出身
2019年2月13日 最高裁判所判事
■渡辺恵理子氏=349万5810票(6.11%)
1958年12月27日生
弁護士出身
2021年7月16日 最高裁判所判事
■安浪亮介氏=341万1965票(5.97%)
1957年4月19日生
元・大阪高裁長官
2021年7月16日 最高裁判所判事
■長嶺安政氏=415万7731票(7.27%)
1954年4月16日生
元外交官
2021年2月8日 最高裁判所判事
(敬称略、%は小数点第三位を四捨五入)