バーで知らぬ間に注射される「ニードル・スパイキング」の被害相次ぐ。女子大学生ら標的に イギリス

相手の同意なしに、注射針を使って薬物を注入する「ニードル・スパイキング」。被害者は意識喪失、吐き気、体の痛みなどの症状を訴えているという。
大学生らをターゲットにした「ニードル・スパイキング」の被害が、イギリスで相次いでいる(イメージ写真)
大学生らをターゲットにした「ニードル・スパイキング」の被害が、イギリスで相次いでいる(イメージ写真)
Aleksandr Zubkov via Getty Images

イギリスのナイトクラブやバーで、相手の同意なしに体に注射する「ニードル・スパイキング」と呼ばれる暴力行為の被害が相次いでいる。アルコール飲料に薬物などを混入する「ドリンク・スパイキング」とは異なる新たな暴力の手口だとして、当局が警戒を強めている。

デートレイプドラッグと同種か

無防備な状態の人に、注射針を使って薬物を注入するニードル・スパイキング。

英メディアのインディペンデントによると、これまでの事件で使用された薬物は、「デートレイプドラッグ」として知られるものと同種だと考えられている。

被害者は意識喪失、吐き気、体の痛みなどの症状を訴えているという。

被害に遭った19歳の学生はワシントン・ポストの取材に対し、目が覚めた時にはクラブで遊んだ夜の記憶がほとんどない状態だったと証言。同紙に「このような形の暴力が行われている事実は、記憶を失ったことと併せて恐ろしいことです。楽しい夜のはずが、未知のものに恐怖を感じるようになります」と語っている。

ノッティンガムシャーの警察当局は10月21日、ニードル・スパイキングによる被害とみられる訴えが2日以降で15件寄せられたと発表した。被害者の多くは女子大学生で、男性もいたという。

注射針で刺された被害と、性的暴行を含む他の犯罪との関連は現時点で確認されていない。当局はパトロールを強化し、地元の大学や病院と協力して捜査を進めている。

ノッティンガムシャーの他にも、エクセター、バーミンガムなど複数の都市で被害が報告され、主に大学生の被害が多い。

プリティ・パテル内務大臣は、ナイトクラブやパーティーでのドリンク・スパイキングやニードル・スパイキングの被害実態を早急に把握するよう各警察署に要請した

被害が続いていることから、ナイトクラブへの入場時に身体検査を義務付けるよう法制化を求める署名活動も始まっている

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