アップルがスペシャルイベントの開催を予告しました。日程は米現地時間で10月18日の午前10時、日本時間では19日の午前2時から。今回も9月のiPhone 13発表イベントと同じく会場に観客を入れないバーチャルイベントとなり、オンラインで全世界に向けて配信されます。
今年の秋は「アップルが複数回、新製品発表イベントを開催する」との噂がありましたが、それが的中したかっこうです。またiPhone発表の約1か月後に改めてイベントを行うのは、2020年から2年連続となります。
さて今回の発表イベントで主役となるのは、おそらく(昨年秋の2回目のイベントと同じく)新型Appleシリコン搭載のMacBook Proと推測されています。その中でも13インチMacBook Proの後継機、本体サイズは据え置きながら画面だけが広くなる14インチモデルの噂話は、足かけ2年近くにもわたっているもの。来週こそ、待ち望まれた「小型かつパワフル、デザインが一新されたモバイル向けMacBook Pro」がお披露目されるのかもしれません。
さらに第3世代AirPodsの発表も有力視されています。が、ほかにダークホース的な新製品が登場したとしても、9月のイベントでiPhone 13シリーズ以外にApple Watch Series 7や第9世代iPad、iPad mini(第6世代)が発表された直後とあっては不思議ではないはず。
それぞれ、どういった噂話や予想が伝えられたのか。これまでの情報をざっと振り返ってみましょう。
■14インチ/16インチMacBook Pro
デザインを刷新した次期MacBook Proの噂が本格的に囁かれ始めたのは、遡れば2020年初めのこと。まず、アップルが秘密裏に開発を進めていた「新型のミニLEDバックライト画面が採用される製品の1つ」という分野においてです。その中にあった「ミニLED搭載の12.9インチiPad Pro」は今年4月に発表されており、予測の一部は当たっています。
また画面のみならず、デザインも全面的に刷新されるとの見通しも有力です。筐体はiPad ProやiPhone 13のようなフラットエッジ(端が角張った)となるほか、ここ数年来はMacBook Proの代名詞ともなっていたTouch Barが廃止されて物理ファンクションキーが復活し、磁気で接続するMagSafe充電コネクタやSDカードスロット、HDMI端子など多くの外部ポートも追加されるとのこと。またThunderboltポートも現行の2ポートよりも増やされると見られています。
こうした予想は有名アナリストMing-Chi Kuo氏やBloombergのMark Gurman記者らが相次いで(何回も)届けていることに加えて、犯罪者グループが流出させた機密書類でも裏付けられており、ほぼ確実視されています。
さて、次期MacBook Proの中核となる「M1X」プロセッサについて。こちらはM1チップをベースにCPUおよびGPUコア数が増やされると予想されていますが、Bloomberg報道によれば2種類あり、開発コード名は「「Jade C-Chop」および「Jade C-Die」とのこと。どちらもCPUは8つの高性能コア+2つの高効率コアながらも、GPUコアは16または32個として差別化が図られている模様です。ちなみにM1チップはCPUコアが8つ(4つの高性能コア+4つの高効率コア)、GPUは8または7となっています。
さらにM1では最大16GBだったRAMが最大64GBまで増設可能となり、機械学習タスクを処理するNeural Engineも改良されるとも言われています。M1 Macは「低消費電力のわりに高性能」が驚かれていましたが、M1X MacBook Proは「それなりの消費電力とケタ外れの処理能力」が注目を集めるのかもしれません。
最後にお値段に関しては「14インチは現行の13インチよりもはるかに高価になる」との説もあります。それに加えて14インチも16インチも同じパフォーマンスだと予想されており、持ち歩きやすさと高性能をともに満喫する代償は高くつく可能性がありそうです。
■第3世代AirPods
非Proモデルの新型AirPods、いわゆる第3世代モデルは9月のiPhone 13イベントでの発表が有力視されていたものの、当日は公式になんら言及がなく各方面から驚きの声が上がっていました。
第3世代モデルの噂は2020年末から囁かれており、2021年初めに発売との説もありました。その時期になると本物と称される画像も公開され、より短くなったステム(持ち手部分の軸)や交換可能なイヤーチップといった風説通りの特徴が確認できました。
当時の説明によれば、第3世代モデルはAirPods Proと同じく圧力緩和システム、つまり耳の内部の圧力を均等にして長時間にわたって着用する不快感を取り除くしくみが実装。また操作も第2世代のようなタップではなくProのタッチ操作(軸部分の感圧センサーを指で挟み込む)になる可能性がある一方、アクティブノイズキャンセル機能は備えていないと伝えられていました。
また充電ケースも新型となり、第2世代AirPods用よりもバッテリー容量が20%増えるほか、標準モデルでもワイヤレス充電に対応するとのリーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)情報もありました。
一時は2021年(今年)前半に量産開始との噂もありましたが、後に「8月に量産開始」との日経報道も届けられています。同記事では「次期MacBook Proなど他の新製品とともに2021年後半に発売」ともあり、20日のイベントでは先に第3世代AirPodsが発表され、その後に超大型新人・M1X MacBook Proがデビューする流れかもしれません。
(2021年10月13日Engadget 日本版「速報:アップル発表イベントは19日午前2時~。新型MacBook Proや第3世代AirPodsなど新製品予想まとめ」より転載)
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