「シンプルで素敵」話題になった金原ひとみさんの言葉とは? 文學界新人賞の作品募集で呼びかける

小説家の言葉は、やはり魅力があります。5人の選考委員はそれぞれ、何と語っているでしょうか。
文學界新人賞の選考委員の一人である金原ひとみさん
文學界新人賞の選考委員の一人である金原ひとみさん
時事通信社

文藝春秋が主催する第128回文學界新人賞で、作品募集の公式サイトに載っている選考委員の言葉がSNS上で話題になっている。

青山七恵さんが「言葉では言えそうにないことを、言葉でしか表せないものに変えるのが小説だと思います。それ以外にはどんな言い換えもきかない、あらゆる表現の可能性をかいくぐった、タフな小説を読ませてください」と言えば、阿部和重さんは「まず作品の志向性を読みとり、その難易度や達成度をはかりつつ各作を比較します。独自性や新奇性や革新性を歓迎しますが、それは伝統性をただちに退嬰的と見なすことの表明ではありません。娯楽性を軽視することもないでしょう」と言う。

また、中村文則さんが「現代の文学シーンでデビューするにはどうすればいいかとか、そんなことを考える必要はありません。ただあなたの文学を、全力で小説に込めればいいです。シーンなどあなたが変えてしまえばいい」と言えば、村田沙耶香さんは「小説家とは職業ではなく人間の状態なのではないか、と尊敬する方が仰っていたことがあります。その状態でしか生み出せない、新しい言葉にたくさん出会えるよう願っています。同じ書く生きものとして、未知の小説を読むのを楽しみにしています」と言う。

小説家それぞれの個性が出ている。

そんな中、ひときわ目立っているのが、金原ひとみさんだ。

「何でもいいよ! 小説書けたら送ってみて!」

SNS上では「青山七恵さんは感性を、阿部和重さんは手がかりを、中村文則さんは勇気を、村田沙耶香さんは承認をくれてるし、全部まとめて最後に背中を押してくれる金原ひとみさん」「金原さんはシンプルで素敵、ほかの方は凝っていて素敵」といった声が上がっている。

公式サイトによると、第128回文學界新人賞は、応募枚数が400字詰原稿用紙で70枚以上150枚以下、締め切りが2022年9月30日。

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