「希望の党」代表の中山成彬(なかやま・なりあき)衆院議員(78)=比例九州=が、次期衆院選に立候補しないことがわかった。
希望の党は2019年夏の参院選前に、公職選挙法上の「国会議員5人以上」という政党要件を失った。「政治団体」となり、現在の所属議員は中山氏のみ。関係者によると、中山氏の政界引退に伴い、政治団体「希望の党」も解散する方向だという。
中山氏は1986年に自民党から立候補し初当選。通算で8期務め、文部科学大臣や国土交通大臣などを歴任した。
自民党を離党し、立ち上がれ日本や次世代の党などを経て、2017年に小池百合子東京都知事が設立した旧希望の党に参加していた。
希望の党とは何だったのか
小池百合子都知事が設立を表明してからおよそ4年。「希望の党」の名称は、なくなることとなった。
希望の党は2017年9月、前回の衆院選前に小池氏が代表となって設立された。若狭勝衆院議員(当時)や民進党を離党した細野豪志衆院議員らとともに結党。当時の民進党との事実上の合流に際し、小池氏が「全員受け入れることはさらさらない」「排除いたします」と発言したことをきっかけに反発を招き、一気に失速した。
2017年10月の前回衆院選では、「排除」に反発した枝野幸男氏が立ち上げた立憲民主党が野党第一党に躍進した一方、希望の党は公示前勢力を割り込む結果となった。
その後、小池氏は希望の党の代表を辞任。後任に玉木雄一郎氏が就任した。玉木氏は参院議員が中心となった民進党との連携を模索し、これに松沢成文氏ら党内の保守系議員が反発。希望の党は分党し、松沢氏率いる新「希望の党」と、民進党と合流した新党「国民民主党」となった。
希望の党は松沢氏や中山成彬氏ら衆参計5人の国会議員がいたが、2019年夏の参院選に候補者を擁立せず、離党や引退などで3人が離れたことから政党要件を失った。現在の所属議員は中山成彬氏ひとりとなっていた。