自民党の臨時総務会が10月1日に開かれ、新たな党役員人事が決まった。
5年を超えて在任していた二階俊博氏(82)の後を受ける幹事長には、甘利明氏(72)が就任。岸田文雄新総裁は、総裁選で幹事長以下の党役員任期を「1期1年、連続3期まで」とする方針を掲げていた。
総務会長に福田達夫氏(54)、政務調査会長に高市早苗氏(60)、選挙対策委員長に遠藤利明氏(71)が選ばれた。
また、岸田氏と総裁選を争った河野太郎氏(58)は広報本部長に。組織運動本部長には小渕優子氏(47)が就任した。
当選3回の福田達夫氏「身が小さくなる思い」
自民党の「4役」とされる幹事長、総務会長、政調会長、選対委員長に選ばれた4氏が10月1日、党本部で会見した。
甘利氏は「岸田新総裁が掲げる老壮青、多様な人材を登用して活力ある、そして開かれた党運営。この理念をしっかり支えて党を率いていきたい」と語った。
これまで当選を重ねたベテランが担うことの多かった「総務会長」に選ばれた福田達夫氏は当選3回。
福田氏の起用について、甘利氏は「ご本人(福田氏)にとって光栄なことだと思うが、これは総裁が試練を与えて、将来を担う人材として育てていくんだと思う。いかに当選3回といえども党をまとめることができるか試されているというふうに思っているし、それをきっと成し遂げて、その任を終えたときには二回りと大きくなっていると思う」と語った。
福田氏は「この役割をいただいたときも非常に身の引き締まる思いだったが、上司たる幹事長からのセリフに本当に身が小さくなる思い」としつつ、「総務会長という仕事は最終的に物事を決める機関だが、物事を決めるプロセスをしっかりと組み上げていく。その結果に至るプロセスが非常に重要だ。国民にわかりやすい政治をやる自民党を目指していく」と語った。
SNS「政治の世界では54歳を若手と呼ぶのか…」の声
福田氏の起用をめぐっては、立憲民主党の枝野幸男代表(57)が「(自民の)若手の代表が私より3歳しか下ではない人」と述べ、「若手登用」の象徴とされていることを皮肉った。
SNS上でも「政治の世界では54歳を若手と呼ぶのか…」「54歳が若手扱いされる政治界やばい」などの声が上がっている。
女性の登用「派閥とポストの関係、整合性がとれないという点はある」
会見では、甘利氏が女性の登用と派閥の関係について説明する場面があった。
記者から「党役員人事や閣僚人事を見ると、麻生派を含め一部の派閥からの登用が目立つが、どのように挙党一致体制を作るか」との質問が飛んだ。
これに対し、甘利氏は「総裁は若手の有望な人材の登用と女性をできるだけ配置したいというお考えであった」とした上で、「女性議員の所属が、派閥で均等になっていないという部分はある。だから、『この政策集団からはちょっと少ないけども、なかなか対象とする適当な人がいなくてこちらには何人も集まっているな』というところがあったりするので、派閥とポストの関係がなかなか整合性が取れないという点はあるかもしれない」と語った。