9月17日から配信が始まったNetflixオリジナルの韓国ドラマ『イカゲーム』が、注目を集めている。生活に困窮した人々が、賞金456億ウォン(約43億円)を賭けた命懸けのデスゲームに挑むというフィクション作品だ。
米国の視聴ランキングで1位にランクインし、日本のNetflixユーザーの間でも話題を呼んでいる。社会問題や人間ドラマにも焦点が当てられ、キャストの迫真の演技も光る。どんな作品なのか?
※ネタバレは含みませんが、ストーリーのあらすじやキャラクターの特徴について解説しています。
『イカゲーム』とは?
『イカゲーム』というタイトルは、韓国の子供たち向けの遊びが由来となっている。
物語の主人公は、運転代行で生計を立てる47歳のソン・ギフン。飲食業などに失敗し多額の借金を抱えるものの、競馬などのギャンブルがやめられない。
離婚した妻との間に10歳の娘がいて、誕生日プレゼントを買えないほど困窮した生活を送っている。
そんな中ギフンは、地下鉄のホームで見知らぬ男から10万ウォンを賭けたメンコ勝負に挑まれる。その男から電話番号が記された名刺を受け取り、サバイバルゲームに参加することになる――というあらすじだ。
ゲームには、様々な事情を抱えた数百人もの人々が参加していた。総勢456人。
全員が緑色のジャージに着替えさせられ、第1のゲームとして、子供の頃に多くの人が遊んだであろう「ムクゲの花が咲きました(日本の「だるまさんがころんだ」)」に参加させられる。
慣れ親しんだ子供遊びだが、決定的に違うのは、敗者には「死」が待ち受けているということだ。
456人分の賞金――合計456億ウォン(約43億円)――を手に入れるために、参加者は命を懸けたデスゲームにチャレンジし続けなければならない。
こうした設定から、本作を福本伸行さんの人気漫画『賭博黙示録カイジ』と重ねる声もネット上には多い。
全9話で、1話は60分弱。テンポ良く物語が進むため、“一気見”してしまう人も多いはずだ。監督はファン・ドンヒョクさんが務めた。
作品で描かれる人間ドラマ
『イカゲーム』の魅力の一つが、主人公のギフンを中心に描かれる人間ドラマの数々だ。
ゲームにはギフンの同郷の幼馴染みで、ソウル大学出身のチョ・サンウも参加。サンウは、誰もが羨む“出世コース”を歩んでいたはずが、巨大な借金を抱え、 横領にも手を染めてしまうというキャラクターだ。
そのほかにも、脱北者の女性や外国人労働者などもメインキャラクターとして描かれ、韓国の競争社会の中で苦難する人々が登場する。
サバイバルゲームのスリルや謎解きも楽しめる作品だが、こうしたキャラクターを通して描かれる人間ドラマも見所の一つだ。
『イカゲーム』のキャストは?
作品への人気が高まると同時に、メインキャラクターのキャストにも注目が集まっている。
イ・ジョンジェ(主人公ソン・ギフン)
主人公、ギフンを演じるのは韓国の俳優イ・ジョンジェさん。物語序盤では金へのだらしなさが描かれるが、いざという時に頼り甲斐のある、心優しい主人公を見事に演じ切った。
チョン・ホヨン(カン・セビョク)
異彩を放つキャラクター、セビョクを演じたのはモデルとして活躍してきたチョン・ホヨンさん。
家族のためにデスゲームに参加するという役どころだ。『イカゲーム』への出演で注目を集め、WoW!Koreaによると、Instagramのフォロワーは40万人だったが作品配信後に急増。9月25日時点でフォロワー数は345万人を超えている。
パク・ヘス(チョ・サンウ)
ギフンの幼馴染みで、エリート街道からドロップアウトした人物・サンウ。パク・ヘスさんが演じた。
ウィ・ハジュン(ファン・ジュノ)
勇敢な警察官・ジュノ役を演じた。
また、作品では、外国人労働者のアリ役をアヌパム・トリパシさん、高齢者の参加者オ・イルナムをオ・ヨンスさんが好演。
ヒット映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』で主演したコン・ユさんも、メンコ勝負を挑む正体不明の男役として出演を果たしている。
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Netflixはこれまでも、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など韓国発のオリジナル作品でヒットを生み出してきた。新たな世界的なヒットとなるか、注目が集まっている。