出版社の「宝島社」は9月22日付の朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の朝刊3紙に意見広告「国民は、自宅で見殺しにされようとしている。」を見開きで掲載した。
広告は、汚れた白くまのぬいぐるみと新型コロナウイルスとみられる真っ赤な円形の画像を合わせたもの。「緊急事態」という刻印とともに、「国民は、自宅で見殺しにされようとしている。」とのキャッチコピーが記されている。
「今も、ひとりで亡くなっている人がいる。怒りと悲しみでいっぱいになる。この国はいつから、こんなことになってしまったのか。」と、医療現場の厳しさから十分な医療を受けられない状況を念頭に、政府の新型コロナ対策に疑問を投げかけている。
同社のプレスリリースによると、広告の意図は次の通り。「新規感染者は減少しているとも言われますが、いまも十分な治療を受けられないまま、亡くなるかたもいます」とし、「こうなる前に、できることはなかったのでしょうか」と訴えている。
新型コロナウイルスによる医療逼迫が起きました。
新規感染者は減少しているとも言われますが、
いまも十分な治療を受けられないまま、亡くなるかたもいます。
信じられないことですが、これは現実です。
こうなる前に、できることはなかったのでしょうか。
今後、再び感染が拡大した時の対策は、講じられているのでしょうか。
この広告が、いま一度考えるきっかけになれば幸いです。
新型コロナウイルスの感染が拡大した今年8月以降、東京都では自宅療養中に44人が死亡。そのうち半数以上の24人が50代以下だった。新規感染者数は減少傾向にあるが、自宅療養中に容体が急変するケースも起きている。
Twitter上では、「広告の価値を感じた」「後手じゃなく先手を打って」などの声が上がっていた。
宝島社は、「企業として社会に伝えたいメッセージを伝えたい」との考えから、1998年から意見広告を出している。今年5月には、「タケヤリで戦えというのか」「このままじゃ、政治に殺される」とのキャッチコピーで政府を批判した意見広告も話題を集めた。