4人が立候補した自民党総裁選(9月29日投開票)で、同党の稲田朋美元防衛大臣が9月19日、SNSで高市早苗・前総務大臣を支持すると表明した。
「私が目指す強くて優しい、温かい日本の国柄を守るため、譲れない国家観を共有する高市早苗候補を支持します」と投稿した。
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高市氏を支援する安倍晋三前首相も、自身のアカウントで「稲田朋美さんも国家観を共有する高市早苗候補支持を表明しました」とアピールした。
LGBT法案の成立目指し「変節した」とも
稲田氏は安倍政権時代、党政調会長や防衛大臣などを歴任。保守派の安倍氏と思想信条が近く、選択的夫婦別姓制度にも反対してきた。
しかし、菅義偉政権となった今年の通常国会では、LGBTQなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案の成立を目指し奔走した。夫婦別姓問題でも立場を変え、旧姓使用に法的根拠を与える「婚前氏続称制度」の導入を訴えている。
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こうしたリベラル的な言動が目立つようになった稲田氏は、党内外で「変節した」などと評されていた。
AERA.dotのインタビュー(2021年8月30日付)では、将来の首相候補と言われていた17年に「日報隠蔽問題」で防衛大臣を辞任し、挫折を味わったと告白。
「失敗して挫折している人を見ると、まるで自分のことのように思えちゃうんですよね(笑)。もう、他人ごとじゃない。弱い立場の人とか、何かこうはみ出ちゃった人とか、そういう人たちに対して暖かい気持ちになるんです」と述べていた。
今回の高市氏への支持表明について、ツイッター上では高市氏の支援者から歓迎の声が上がる一方で、最近の稲田氏の言動をふまえ「意外だ」との反応も出ている。