河野太郎規制改革担当相がTwitterでフォロワーをブロックする行為を問題視する声がSNSで相次いでいる。アメリカのトランプ前大統領も同様の行為をしており、同国では「憲法違反」として訴訟になったこともあった。
このアメリカでの事例を元に、河野氏の行為に問題がないか記者団から質問が出たが、加藤勝信官房長官は9月8日午前の会見で「アメリカはアメリカとしての制度があって、議論されている。日本政府としてコメントする立場にはない」と述べた。
■アメリカでは訴訟に発展。トランプ氏の「ブロック行為」
アメリカでは、「トランプ氏がTwitterのフォロワーをブロックをしたのは憲法違反だ」との訴訟が起きていた。
トランプ氏のTwitterアカウントは、「言論の自由を保障する憲法修正第1条が認める‘公開討論会’としての役割を持つため、意見(の違い)を根拠にフォロワーをブロックする行為は憲法に違反する」との考えからだった。
加藤官房長官は9月8日午前の記者会見で、このトランプ氏をめぐる訴訟問題を受けて、河野氏のTwitterの対応の仕方に問題はないのかと記者団から問われた。
加藤長官は「アメリカはアメリカとしての制度があって、議論されている。日本政府としてコメントする立場にはない」と述べ、その上で河野氏によるブロック行為についても「個人の活動において、個人として判断をされておられるということに尽きる」として、問題視しない考えを示した。
会見の該当部分のやりとりは以下の通り。
ーー河野大臣のTwitterについて伺います。昨日の閣議後会見で、河野大臣は、自身に批判的なTwitterフォロワーをブロックし、閲覧できなくさせていることについて、問題ないと発言しました。河野大臣は衆議院議員だけではなく、ワクチンを担当している重要な閣僚でもあります。閣僚として、このフォロワーをブロックするということが適切だとお考えでしょうか?
まず、あの、河野大臣が担当している施策に関する、まあワクチン接種を含めて、政府の公式ページ、あるいはSNS、あるいは記者会見などを通じて発しておりますけれども、そのツールにおいては、国民の皆さんからのご意見も受け付ける窓口はこれは常にオープンになっているというふうに承知をしております。
その上で、河野大臣の個人的なTwitterのアカウント。これはあくまでも国会議員として、あるいは個人として設けておられるわけですから、それに対してどう運用するかは、それぞれがご判断するものというふうに考えます。
ーーアメリカでは、トランプ氏が大統領だった際に、自身に批判的なフォロワーを、トランプ氏の個人的なTwitterのアカウントですけれども、フォロワーをブロックして、実際に訴訟がおきました。最終的にアメリカ最高裁で訴えは棄却されたんですけど、公人が市民に対する情報の閲覧を制限していいのかという議論に一石を投じました。そうした言論の自由や情報の公平なアクセスの点から考えて、こうした河野大臣のTwitterの対応の仕方に問題はないとお考えでしょうか。
まずその、アメリカはアメリカとしてのいろんな制度があって、そうした中でご議論されてるっていうことなんだろうと思いますので、それについて、日本政府としてコメントする立場にはないわけであります。
河野大臣のことに関しては、まさに大臣の部分については、先ほど申し上げたように、どなたからもアクセスしていただける状況にしている。ただ、個人の活動においてですね、そこは個人として判断をされておられるということ、これに尽きると思います。