東京パラリンピックが9月5日に閉幕します。
今大会は、国際パラリンピック委員会(IPC)のオフィシャルパートナーのGetty Imagesが、全ての競技の写真や動画の撮影、配信を担当しました。
Getty Imagesは2004年から夏季5大会、冬季4大会のパラリンピックをそれぞれ、IPCオフィシャルパートナーとして取材しています。
長年、パラリンピックを撮り続けるGetty Imagesの写真家3人に、これまでに撮影した大会・競技写真から「ベストショット」を選んでもらいました。
選定理由や、東京パラリンピックの撮影側として意識することについて語ったコメントと合わせて紹介します。
アダム・プリティ氏の「1枚」
報道写真部門、チーフフォトグラファー
▽「とっておき」の1枚
競泳混合4×50mフリーリレーの決勝、中国の袁偉訳選手(東京2020)
▽選んだ理由
東京2020パラリンピック競技大会のストーリーを物語る一枚としてとても気に入っています。他の選手を大きく引き離して、一人先頭を泳ぐアスリート。彼が作り出した彼自身の小さな世界と空間に入り込んだような気持ちになります。
観客のいないパラリンピック会場は、私も、そして選手たちもこれまで味わったことのない雰囲気に包まれています。この写真は、その異様な雰囲気と同時に、パラリンピアンの素晴らしい身体能力も感じ取れる一枚です。水中カメラを使って撮影することで、今まで見たことがないような一瞬を切り取ることができました。
▽東京パラリンピック、撮影側として意識すること
記憶に残るような写真を撮るためには、素晴らしい被写体(アスリート)、独創的なアイディア、ライティング、構図、動きなど、いくつかの要素を意識しなければなりません。これらの要素を組み合わせることで、良い写真を撮ることができます。
ナオミ・ベイカー氏の「1枚」
スポーツフォトグラファー
▽「とっておき」の1枚
男子バイアスロン、カナダのマーク・アレンツ選手(2018年平昌)
▽選んだ理由
バイアスロンのコースの中でも特に急な傾斜に挑んでいるカナダのマーク・アレンツ選手の写真です。私にとってこの画像は、世界のトップ=頂上を目指している強さを感じられる一枚です。
▽東京パラリンピック、撮影側として意識すること
どうしたらアスリートを最も素晴らしい形で表現できるか、どうしたらアスリートに最も相応しい形で表現できるかを意識するだけでなく、そこにクリエイティビティを加えて、何か新しいものを作り出すようにしています。
ブダ・メンデス氏の「1枚」
スポーツフォトグラファー
▽「とっておき」の1枚
スペインのフアン・ホセ・メンデス・フェルナンデス選手、パラサイクリング男子3km個人パーシュートC1クラスの予選(2016年リオ)
▽写真を選んだ理由
レースに勝つためのエネルギーを求めているようなその表情に目を惹かれました。彼のパフォーマンスの美しさを引き立てるような光と色合いも好きです。
▽東京パラリンピック、撮影側として意識していること
スポーツ、そして人生のスーパーヒーローであるパラアスリートを撮影できることはとても光栄です。そのスーパーヒーローたちが見せる感情や困難に打ち勝つ瞬間を捉えることを意識しています。
今回、写真選定やコメントに協力してもらったのは次の3人。