アメリカで人気のシンガー、ラッパーのリゾ(Lizzo)。
カーディ・Bとコラボした新曲「Rumors」でも注目を集めているが、楽曲発表後にインスタグラムに投稿したライブ動画で、ヘイターによるSNSでの誹謗中傷に対し、涙ながらに反論した。
楽曲の人気に加え、リゾはボディポジティブに関するメッセージを発信することでも支持を得て、人々を勇気づけてきた。一方で、以前からヘイターによる体型批判や嫌がらせを受けてもきた。
声を上げるのは、「未来の体の大きな黒人女性のため」
「幸せになるはずだった日に…私はとても落ち込み、傷ついています」
2年ぶりの新曲となった「Rumors」発表2日後のインスタグラムの投稿で、時折涙を流しながら、リゾはこう切り出した。
送られてきた中傷的なコメントの詳細については明かさなかったが、リゾはそれらについて、「ファットフォビア(肥満嫌悪)で人種差別。とても傷つく」とコメント。
ファットフォビアとは、太っている人や太っていることに対し、嫌悪を感じ、攻撃を向ける人や考えのことを指す。その体型や体重を揶揄したり侮辱したりすることは、「ファットシェイミング」と呼ばれ、問題視されている。
リゾは多くの有害な言葉を目にし、中でも多かったのがその体型や見た目に言及するものだという。
「私の音楽が気に入らないのも、いい。『Rumors』が気に入らないのも、いい。でも、私のことが気に入らない多くの人は、見た目を理由にしている」
リゾは続けて、特に黒人女性に対する攻撃が強いことについて指摘した。
「私が受け入れられないのは、黒人女性、特に体の大きな黒人女性たちにこれ(中傷的なコメント)を何度も何度も繰り返していること。
私たちが思い通りに行動しなければ、私たちに憎悪を向ける。それは全くかっこいいことではない。
私が声をあげるのは、監視されたり、自由を奪われることなく、自分の人生を生きることを望む、未来の体の大きな黒人の女性たちのためです」
特に2年ぶりの新曲を発表したタイミングだったからこそ、「いつもの4倍」は傷ついたとリゾは明かす。
「時々、私は世界から自分が愛されていないかのように感じることがあります。どんなにポジティブなエネルギーを世界に注いでも、残酷なことを言う人はいなくならない」と胸のうちを告白。
ほとんどの場合は、残酷なコメントをする人のせいで傷つくことはないが、「こうやって一生懸命働いているときは、許容度や忍耐力は低くなり、より敏感になる」という。
また、リゾはインスタグラムでのライブ後に、Twitterも更新。「セルフラブ(自分を愛すること)」の重要さとその難しさについてつづった。
「愛を返してくれない世界で自分を愛するには、自我の目覚めと、時代遅れの社会規範の裏側にある戯言を見抜く力が必要。
もしあなたが今日、自分自身を愛しているなら、私はあなたのことを誇りに思う。もし愛せていなくても誇りに思う。なぜなら、それはすごく大変なことだから」
カーディ・Bら著名人もリゾを支持
リゾを支持し、ヘイターに対し憤りを表明する著名人も相次いでいる。
コラボしたカーディ・Bは、「意見を言えば、あなたには問題があって敏感なだけだと主張する。何も言わなければ、あなたが泣くまでこうやって引き裂き続ける」と、リゾを中傷するヘイターを批判。
歌手のクロイ・ベイリーは「私はあなたを誇りに思ってる。あなたの声には力がある」と勇気づけた。
また、自身のYouTubeチャンネルなどで、リゾと体型に悩んだ過去などを語ってきたアクティビストでモデルのジャミーラ・ジャミルも、リゾを支持。
ヘイターに向け、気に入らなければ「ミュートすればいい。簡単なことだ」として、「すべてがあなたのために存在しているわけではない。個人を攻撃するのは、あなた自身に人間性が欠落していることを世界に大々的に発表するようなことだ」と痛烈に批判した。
多くの著名人が支持を表明したのち、リゾはインスタグラムを再び更新。「時々私は悲しくなります。そしてー」というコメントとともに、笑顔を見せる自分の動画を投稿した。
※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集・追記しています。