【用語解説】再生可能エネルギーを理解する上でキーワードとなる用語をまとめてみました。

脱炭素の鍵を握る「再生可能エネルギー」。日本の再エネ推進を阻んできた壁とは?日本の再エネについて理解するための用語をまとめてみました。

8月17日(火)夜9時から配信のハフライブ「再エネ後進国・日本」は変われるのか? では、脱炭素が叫ばれる中で鍵となる「再生可能エネルギー」について、日本が進まない理由と今後どうしていけばいいのか?を話し合います。

番組を見る上で参考になりそうな、再生可能エネルギーに関連する用語について、以下にまとめてみました。

日本でも事業者の公募が始まる「着床式」洋上風力発電所(写真は台湾)[JERA提供]
日本でも事業者の公募が始まる「着床式」洋上風力発電所(写真は台湾)[JERA提供]
時事通信

■ エネルギー基本計画

国の中長期的なエネルギー政策の方針を示したもの。電源構成における原子力や火力、再生可能エネルギーの割合を盛り込み、少なくとも3年ごとに検討し直すことになっている。

■ 第6次エネルギー基本計画

2030年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標の達成に向けて、電源比率に注目が集まっていた。経産省が8月にまとめた計画案は、再生可能エネルギーを「36~38%」に引き上げる内容となった。原子力の電源比率については、第5次計画の目標を据え置き、20~22%とした。

■RE100(Renewable Energy 100%)

企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す、国際的な企業連合。日本では58社が参加している(2021年7月末時点)。

■ベースロード電源

発電コストが安く、季節・天候・昼夜に左右されず安定的に発電できる電力源。主に原子力、石炭火力、地熱、大型水力を示す。

■再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)

国が電力会社に、再エネで発電した電気を一定期間、固定価格で買い取ることを義務づける制度。再エネ発電事業者にとっては安定した売上が保証されるため、再エネの普及が期待できる。日本では2012年に導入開始。

■FIP制度(Feed-in Premium)

再エネ発電事業者が電力卸売市場において市場価格で電気を販売した際に、その価格に対して一定の補助金を出すことで、再エネの導入を促す制度。日本では、2022年4月より導入開始予定。

■電力の小売全面自由化

電力は地域の大手電力によって独占的に販売されていたが、2016年4月1日以降、新規参入者も電力を自由に販売できるようになった。一般家庭を含む全ての消費者も、電力の購入先を自由に選べるようになった。

■新電力会社

「電力の小売全面自由化」により、電気の小売市場に新規参入してきた小売電気事業者。

■COP(国連気候変動枠組み条約締約国会議)

地球温暖化の対策を話し合う国際会議で、国連気候変動枠組み条約に加盟する約190カ国が参加する。第26回は、2021年11月にイギリスのグラスゴーで開催される予定。

■容量市場

発電事業者の発電できる能力(容量)を、小売事業者が市場価格で買い取る仕組み。将来の電力不足を防ぐため、発電事業者が設備投資の資金を確保しやすくする狙いがある。

■再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)

電力会社が「固定価格買取制度」によって再エネ電気の買取りに使用した費用を、電気の使用者(国民)が負担する料金。毎月の電気料金の一部として徴収される。

■洋上風力発電

陸上に比べ、強く安定した風が吹く海上に建設される風力発電。浅い海域において風車の土台を海底に直接固定する「着床式」と、風車を海面に浮かべる「浮体式」がある。

■環境影響評価(環境アセスメント)

開発事業が環境へ及ぼす影響について、事業者が事前に調査・評価等を行い、その結果を公表する制度。日本では1997年に環境影響評価(環境アセスメント)法が制定され、2012年には風力発電、2020年に太陽光発電が対象に追加された。

■需給バランスによる出力制御

電力の発電量が消費量を上回らないように、発電の出力を制御すること。出力制御は「優先給電ルール」にしたがって、まず火力発電から行われ、最後に太陽光発電と風力発電で行われる。

■送電線の容量による出力制御

送電線に流すことのできる電気量が上限を超えないよう、電源の出力制御をすること。送電線は複数の発電事業者が利用するが、容量確保の優先順位は接続契約の申込み順とする「先着優先ルール」が採用されている。

■エネルギーミックス

電源構成とも呼ばれ、原発や各種再生可能エネルギー、石炭火力など、発電に利用される電源の組み合わせのこと。複数の発電方式をバランスよく組み合わせ、安定した電力供給体制を構築することが重要とされている。

■CCS(CO2の回収・貯留)

火力発電所や製鉄所から排出された二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、地中深くに貯留すること。Carbon dioxide Capture and Storageの略。

■IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって1988年に設立された国連組織。気候変動の影響や対策について、最新の研究成果をもとに「評価報告書」をまとめている。

■エネルギー安全保障

国民の生活や経済活動に必要なエネルギーを、安定的に、また低廉な価格で供給できる体制を構築すること。エネルギーの自給率や多様化などが重要となる。

【訂正:2021/8/16/ 13:00】「第6次エネルギー基本計画」で掲げられた2030年度の電源構成について、本文中では当初「原子力を20~22%に引き上げる内容となった」としていましたが、正しくは「第5次計画の目標を据え置き、20~22%とした」でした。訂正いたします。 

暑い夏。毎日のように使うエアコンの「コンセントの向こう側」を考えたことはありますか?

エアコンを動かす電気は、約7割が大量のCO2を排出する石炭や天然ガスなどの火力発電によるもの。

日本は「石炭火力発電への依存度が高く、再エネに消極的」と国際社会から批判受けています。気候危機が叫ばれる今、脱炭素の鍵を握るのが「再生可能エネルギー」。

菅首相が2020年に「2050年までに脱炭素」を宣言したことで、今ようやく再エネ普及の機運が急速に加速し始めています。「再エネ後進国・日本」は変われるのか。ハフライブで考えます。

【番組概要】
・配信日時:8月17日(火)夜9時~
・配信URL: YouTube
https://youtu.be/JMh2uS5vtFs
・配信URL: Twitter(ハフポストSDGsアカウントのトップから)
https://twitter.com/i/broadcasts/1MnxnlMOwkOGO
(番組は無料です。時間になったら自動的に番組がはじまります)

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