人事院、霞が関に働き方改革促す ボーナスは引き下げ
人事院は10日、国家公務員の今年のボーナス支給額を0・15カ月分引き下げるよう、内閣と国会に勧告した。あわせて、男性公務員が取得できる育児休業を今の原則1回から2回に増やす法改正が必要との意見を提出。長時間残業の是正や子育て関連の休暇新設など、労働環境の改善策も報告した。今後各省庁を指導する。民間出身の川本裕子新総裁の意向を反映し、霞が関の「働き方改革」を強く促す内容となった。
ボーナスは2年連続の引き下げで、年間4・3カ月分になる。コロナ禍に伴う民間のボーナス削減を踏まえた。月給は2年連続で据え置きを勧告した。行政職で平均40万7153円(平均年齢43歳)になる。
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報告では、常勤・非常勤を問わず、国家公務員の不妊治療のための有給休暇を新設。非常勤職員にも有給の配偶者出産休暇や育児休暇を新設する。これらは人事院規則を改定して取り組む。
また国家公務員の総合職試験に来年度から「デジタル」という区分を新設し、IT人材の確保を促す。これまで人事院が審査してきた任期つき職員の採用は、各省庁の裁量でできるようにする。民間の専門家やいったん民間に転じた元公務員の復職を促すねらいだ。
職場環境の改善策としては、勤務時間を客観的に把握することや必要な要員確保を提言。長時間労働の一因である国会対応の改善に初めて踏み込んだ。(大鹿靖明)
(朝日新聞デジタル 2021年08月10日 14時08分)
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