東京オリンピック・野球日本代表は2日、準々決勝をアメリカと戦う。
日本の先発は去年までメジャーリーグで活躍した田中将大投手(楽天)。対するアメリカは、バリバリのメジャーリーガーこそいないものの、冬季五輪の銀メダリストや日本のプロ野球で活躍する選手など、多彩な顔ぶれだ。
■侍ジャパンは?
日本代表は、初戦のドミニカ共和国戦を坂本勇人選手(巨人)の劇的なサヨナラ打で下した。2戦目となる7月31日のメキシコ戦は森下暢人投手(広島)を立てると、先制こそ許したものの、山田哲人選手(ヤクルト)や坂本選手のホームランもあり試合を優位に進め、終わってみれば7対4と快勝。アメリカ戦には中1日で臨むこととなる。
先発は田中投手。日本球界に復帰した今シーズンは、13登板で4勝5敗、防御率2.86。「楽しみなんてない」とプレッシャーをうかがわせるが、昨季までメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに7年間在籍し、外国人打者の対戦経験も豊富だ。
■個性派だらけ、アメリカ代表
対するアメリカは、これまでイスラエルと韓国をそれぞれ下している。メジャーリーグで活躍する選手こそ見あたらないものの、個性豊かなメンバーが揃っている。
異色なのは2番セカンドのエディ・アルバレス選手だろう。なんと、2014年のソチ冬季五輪・スピードスケートで銀メダルを獲得したという経歴を持つのだ。ソチ五輪で栄光を掴んだ後、野球に専念。2020年にメジャーデビューを果たした彼は、現在マイアミ・マーリンズ傘下3Aでプレーしている。
5番サードを打つのは35歳のトッド・フレイジャー選手。メジャー通算218本塁打を誇る右の強打者だ。シカゴ・ホワイトソックス在籍時の2016年には年間40本塁打。今は独立リーグでプレーしている。
日本のプロ野球ファンにおなじみの選手もいる。横浜DeNAのタイラー・オースティン選手はここまで打率.314、19本塁打。新型コロナの影響もあり、チーム合流が遅れたのにも関わらず、リーグ5位の本塁打数を誇る。
東京ヤクルトのスコット・マクガフ投手も控える。守護神・石山泰稚投手の不調もあり、今シーズンは9回を任されている。150キロ中盤の速球と、曲がりの鋭い変化球を武器にここまで16セーブ。防御率も2.39と安定している。
日本代表にはチームの主軸を打つ山田哲人選手と村上宗隆選手も選ばれていて、対決が実現した際には、ヤクルトファンはどちらを応援すれば良いか迷うだろう。
アメリカの先発はシェーン・バズ投手。タンパベイ・レイズ傘下3Aでプレーする22歳だ。2017年にドラフト1巡目指名(全体12位)された右腕で、メジャーのプロスペクト(有望株)ランキングでは全体70位に入る将来のスター候補だ。
マイナーリーグの有望選手が出場する「オールスター・フューチャーズゲーム」では98.5マイル(約158.5キロ)の速球を投げ込んだ。190センチの長身から投げおろされる速球を攻略できるかが、ポイントの一つになりそうだ。