ロイター通信は7月15日、日本の菅義偉首相について、新型コロナウイルスの感染拡大や東京オリンピック開催などで「短期的なリーダーになるリスクを抱えている」と指摘した。
ロイター通信は「不人気なオリンピック、COVID-19:菅氏は短期の首相になるリスクを抱えている」と題した記事を配信。第2次安倍政権以前、6人もの首相(第1次安倍政権を含む)が短い期間で入れ替わっていることを挙げ、菅氏が「短期で終わったリーダーたちの長い列に加わる、次の1人になるリスクを抱えている」としている。
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記事ではまず、昨年9月の就任時には70%ほどあった支持率が、「伝統的に危険なライン」である30%あまりに落ち込んでいるとした(7月16日に時事通信が公表した内閣支持率は29.3%と初の3割割れ)。
そして、新型コロナの感染を抑え、オリンピックを成功に導き、解散総選挙につなげることが菅首相の「夢のシナリオ」だったと分析。しかし、4回目の緊急事態宣言につながる感染拡大や、オリンピックのほとんどが無観客開催になったことで「覆された」とした。
そのうえで、「誰も、彼が政権を握っていることを望んでいない」とする中央大学のスティーブン・リード名誉教授の言葉や、「後継者が決まれば菅氏はより苦境に立たされるでしょうが、誰を中心にまとまるのでしょうか?」などとする専門家の分析を紹介した。
菅首相は、9月末で任期切れとなる自民党総裁選に「時期が来れば当然のことだ」と立候補する意思を示している。総裁選については、総裁任期を衆議院議員選挙後まで延長し、衆院選後に実施する案もある。