この美味しそうな牛丼。実は「牛の肉」を使っていないんです。肉に見えるのは、大豆を加工したプラントベース(植物由来)のフェイクミート。代替肉を研究開発・販売するベンチャー企業のネクストミーツ株式会社が販売している商品です。
今、こうした肉の代わりとなる「代替肉」が増えてきています。ハンバーガーチェーンのバーガーキングやフレッシュネスバーガー、ロッテリアなどでも植物由来の代替肉を使用したメニューを提供しています。
背景の一つとして挙げられるのは、牛肉が作られる過程で発生する環境負荷の問題。
実は牛のゲップは、二酸化炭素の25倍もの温室効果ガスがあるとされるメタンガスを含んでいるため、地球温暖化を加速させる要因の一つになっています。
また、牛肉の需要が増える中で、牧場の確保や飼料となる大量の穀物を育てるために世界中で森林が次々伐採されています。それに、飼料を海外から輸送する際の二酸化炭素、牛や穀物を育てるために使われる大量の水…。牛肉が私たちの食卓にあがるまでに、たくさんの環境負荷があるのです。
牛肉だけでなく、豚肉や鶏肉、大豆も食べ物が作られる過程では少なからず環境負荷があります。他にも、劣悪な環境による家畜のアニマルウェルフェア(動物福祉)の問題、肥満など人の健康問題、フードロス問題など、様々な社会課題があります。
つまり。現在のフードシステムでは、食べ物を作れば作るほど、地球にも動物にも人間にも負荷がかかってしまうのです。
こうした社会課題を知ると、「牛肉は一切食べない方がいいのか?」という疑問も湧いてきます。
「食」というのは栄養をとる手段だけではなく、大切な文化であり価値観でもあります。
地球と動物と人間がより良く共存するためには、私たちはどんな選択をすればいいのか。
0か100かという極論ではない選択肢や、気候危機時代のグローバル社会における食のシステムのあり方について、話し合ってみませんか。
身近な話題からSDGsを考えるライブ番組「ハフライブ」。7月20日21時からの配信は「食とSDGs」をテーマにお届けします。
【番組概要】
・配信日時:7月20日(火)夜9時~
・配信URL: YouTube
・配信URL: Twitter(ハフポストSDGsアカウントのトップから)
https://twitter.com/i/broadcasts/1DXxyRRWRzeKM
(番組は無料です。時間になったら自動的に番組がはじまります)
「食べ物」と「気候危機」
国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、世界の温室効果ガス排出量の約15%は家畜および家畜の飼育に関係するもので、うち約65%は牛(牛乳も含む)から排出されています。
他にも、牛のゲップは、温室効果ガスが二酸化炭素の25倍ともいわれるメタンガスを排出していて、牛肉1kgの生産に約2万リットルの水が必要との試算もあります。
こうした課題に対して、欧米では日本よりも早くから危機意識が持たれ、対策が始まっています。
2019年、「国連気候行動サミット」に参加するために訪れたニューヨークで小泉環境大臣が「毎日でもステーキを食べたい」と発言したことに批判の声が集まったのも、こうした背景があるからです。
その「国連気候行動サミット」では、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの、気候危機の対策をしてこなかった大人たちへの怒りのスピーチが世界的に話題となり、日本でも大きな議論を呼びました。
2020年10月の菅義偉首相の所信表明演説で「2050カーボンニュートラル」が宣言されると、日本でも気候危機に対する意識が一気に加速しました。
今年2月には、内閣府の食堂に代替肉が取り入れられ、6月に閣議決定された「令和3年度版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」では代替肉を推奨する文言が盛り込まれるなど、政府でも対策が進んでいます。
「食べない」で解決する問題なのか?
冒頭に紹介したネクストミーツの代替肉も、広がりつつある選択肢の一つ。
しかし、気候危機が待ったなしの状況で、個人の選択だけで解決できる問題なのでしょうか?今こそ、食のあり方そのものを見直すべきなのではないでしょうか?番組で話し合いたいと思います。
【番組概要】
・配信日時:7月20日(火)夜9時~
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(番組は無料です。時間になったら自動的に番組がはじまります)