大雨による影響で、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生した。
土石流などの土砂災害が発生する際、どのような前兆現象があるのか?
内閣府は、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」のそれぞれの特徴と前兆現象について、次のような例を挙げている。
(1)がけ崩れ
<特徴>
斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。
<主な前兆現象>
・がけにひび割れができる
・小石がパラパラと落ちてくる
・がけから水が湧き出る
・湧き水が止まる・濁る
・地鳴りがする
(2)地すべり
<特徴>
斜面の一部あるいは全部が、地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土のかたまりの移動量が大きいため、甚大な被害が発生する。
<主な前兆現象>
・地面がひび割れ・陥没
・がけや斜面から水が噴き出す
・井戸や沢の水が濁る
・地鳴り・山鳴りがする
・樹木が傾く
・亀裂や段差が発生
(3)土石流
<特徴>
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。時速20~40kmという速度で、一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうこともある。
<主な前兆現象>
・山鳴りがする
・急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
・腐った土の匂いがする
・降雨が続くのに川の水位が下がる
・立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる
内閣府は、こうした前兆現象に気づいたら「周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です」と呼びかけている。
土石流から逃げる時には、どんなことに注意したら良いのか?
土石流は流れる速度が速いことから、国交省は「流れを背にして逃げたのでは追いつかれてしまいます」として、「土砂の流れる方向に対して直角に逃げる」よう注意喚起している。