アメリカ・カリフォルニア州パームスプリングスに設置されたマリリン・モンローの巨大な像が設置され、「性差別的だ」として住民が抗議活動を行うなど物議を醸している。巨大像は出演作の有名なシーンを再現したもので、モンローの下着があらわになる構造になっている。
象徴的なシーンを再現。どんな像なのか
高さ7.9メートルにも及ぶ巨大な彫像は、モンローの出演作「7年目の浮気」の象徴的なシーンをモチーフにして2011年に制作された。「フォーエバー・マリリン(Forever Marilyn)」と題され、2012年から14年までパームスプリングスに設置されていた。
その後巨大像はニュージャージー州に移転され、2018年にはコネチカット州スタンフォードでアートイベントの一環として設置されたこともある。
地元メディアの「The Desert Sun」によると、パームスプリングスの観光業界団体がモンロー像を購入。再びこの地で展示することが決まった。
モンロー像はパームスプリングス美術館の入り口に設置され、6月20日にお披露目された。業界団体会長は、「フォーエバー・マリリン」像が観光客を呼び込み、地元企業の収益を増やすのに役立つとしている。
「性差別そのものを思い起こさせます」
しかし、巨大なモンロー像の設置をめぐり、地元住民からは反対の声も上がっている。
彫像は、地下鉄の通気口から吹いた風がスカートをはためかせるシーンをおさめたもので、像の後方に回ると、モンローの下着があらわになる造りになっている。
「像は過度に女性を性的対象としており、女性蔑視的である」として、一部住民から非難の声が上がっている。
像が設置された美術館の元館長も、意を唱えている。リズ・アームストロング氏はVarietyの取材に対し、「文化や時代は変わった。この像は昔の過ぎ去ったステレオタイプに基づいており、モンローに対して公平なものではありません」と述べた。
「私たちは何も学んでいないのでしょうか?26フィートもの高さの像を建てるときは、それが何を表しているのか、確認したほうがよいでしょう。これは、性差別そのものを思い起こさせます」
像を披露する除幕式では、抗議デモも行われた。撤去を求めるオンライン署名も立ち上がり、5万筆以上の賛同が集まっている。