夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は憲法に違反すると訴えた家事審判の決定で、最高裁大法廷は6月23日、「合憲」との判断を示した。
長官と判事の15人全員がそろう大法廷(裁判長・大谷直人長官)で審理された。2015年の大法廷判決では、夫婦同姓を定めた民法規定を「合憲」と判断。
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社会情勢をふまえ、司法がどう判断を下すか注目が集まったが、前回と続く「合憲」との判断となった。
選択的夫婦別姓制度の導入を訴える市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長の井田奈穂さんは、「過去40年にわたる人権問題の決着が、また先延ばしされることになりました」と報道各社にコメントした。
井田さんは、「衆院選までまた延期となった自民党内議論を横目に司法が先にスマッシュを決めてくれると思いきや、また立法に打ち返した内容です」と憤りをあらわにした。さらに、「宮崎判事の書いた人権尊重・平等原則がなぜ守られない国なのか」とし、「国民の『行動』が求められています」と訴えた。
今回の決定を受け、「『合憲と判断した裁判官は、最高裁判所裁判官国民審査で×つける運動』が起きるでしょう」とも述べ、「法律は時代や国民のニーズに応じてアップデートされていくものです。婚姻制度も例外ではありません。国民主権の国、私達は人権問題に解を出せる政治家、裁判官を選ばねばなりません」とコメントした。
選択的夫婦別姓制度をめぐっては、与党である自民党内で賛成派と反対派が対立し、国会での議論が進まないというのが現状だ。井田さんは、「(自民党は)ここに至るまで民意に沿った法改正を決めきれなかった」と批判。「人権意識に欠ける政治家は、国民の代表であってはならないと考えます」ともつづった。
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