6月はLGBTQの権利を啓発するプライド月間。
アメリカのハンバーガーチェーン「バーガーキング」は6月30日まで、チキンサンドイッチの売り上げから、最大で25万ドル(約2750万円)をLGBTQの人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団(HRC)」に寄付することを決めた。
公式Twitterで寄付の告知が行われたが、その投稿に、反LGBTQの競合企業への「批判」が含まれていると話題だ。
「ChKing(チキン)はLGBTQ+の人権を!と訴え続けます。
プライド月間中(もちろん日曜日も)、あなたのチキンサンドイッチへの食欲がいい行いに変わります!私たちはチキンが売れるたび、HRCに寄付をします」
「6月3日~30日の間に売れたすべてのチキンに対し、バーガーキングは40セントをヒューマン・ライツ・キャンペーンに提供します(寄付の最大額は25万ドルです)」
バーガーキングが投稿で、「(もちろん日曜日も)」とわざわざ付け、チキン(Chicken)のスペルを「ChKing」としていることの背景には、競合企業である鶏肉料理に特化したファストフード・チェーン「Chick-fil-A(チックフィレイ)」の騒動が関係していると思われる。
現地メディアDaily Beastは6月1日、チックフィレイのCEOダン・キャシー氏が、LGBTQ+平等法に反対する活動にかかわる財団「National Christian Charitable」に高額の寄付を行っていたと報じた。
キャシー氏は敬虔なキリスト教徒で、チックフィレイは従業員が教会へ礼拝に行けるように日曜日を定休日にしている。
USA TODAYによると、キャシー氏は反LGBTQ団体に寄付を繰り返し行い、2012年には「同性婚を支援することは、国に対し神の裁きが下される」と述べ、同性婚に反対する立場を示した。こうした同氏の寄付活動や発言には多くの批判が集まっており、Peopleによると、2019年には反LGBTQの活動を行う団体への寄付をやめると宣言していた。
バーガーキングはツイートで、このキャシー氏の反LGBTQ団体への寄付を、チクリと批判した格好だ。バーガーキングの広報担当者は、今回のツイートとHRCへの寄付について、USA TODAYに対しこうコメントした。
「(LGBTQコミュニティは)私たちが心から愛し、何年にもわたってサポートしてきました。今回、行動を起こし、重要な会話に光をあてる機会を逃すことはできませんでした」