お笑いコンビEXITのりんたろー。さんが、NHKの報道番組『ニュースウオッチ9』に出演し、政府コロナ分科会の尾身茂会長と対談した。対談では、りんたろー。さんが「(若い人の間で)緊急事態宣言が出ているか、出ていないか知らない子も多い。これが現状なんだと思います」と危機感をあらわにする場面があった。
「国民に対する負担が大きくね?という気持ちもあるかも」
りんたろー。さんは、5月28日に放送された『ニュースウオッチ9』で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長と対談。
普段、若い世代の意見を聞く機会がないという尾身会長。番組では、対談前に「我々に文句を言いたいこともあるんじゃないか」と心配する様子も放送された。
対談の主なテーマとなったのが、若い世代に新型コロナへの危機感をどう伝えるか、ということだ。
尾身会長は、「気がつかないうちに若い人が感染の伝播に関与しているので、(対策を)よろしくお願いしますとかなり丁寧に自分としては言ったつもりなんだけど」と述べ、若者にメッセージが伝わっていないことへの懸念をりんたろー。さんに伝えた。
りんたろー。さんは、 「国民に対する負担が大きくね?という気持ちもどこかにあるかもしれません」と指摘し、「いまお願いベースで、1年我慢してきた人たちに何かを問いかける。“わかりました、じゃあ家にいます”ってすごく難しいことだと思っている」と、『緩み』が生じてしまう現状について率直な意見を吐露した。
「緊急事態宣言が出ているか、知らない子も」
また、「興味深いコンテンツが増えすぎて、こちらが求めなくても入ってくるものが多い」とも述べ、「こんだけニュースでやっていても、今の若い子、緊急事態宣言が出ているか出ていないのか、知らない子多いですね。外に出て居酒屋がやっていない、なんだこれみたいなことなんですよね」と、政府の呼びかけが若者に届いていない危機感も露わにした。
これには尾身会長も驚いた様子で、「緊急事態宣言が出ていることも知らない?」と聞き返す場面も。
りんたろー。さんは「僕も驚くんですけど、それだけの興味のレベルになってしまっているんだという、これが現状なんだと思いますね」と強調した。
何が正解かわからず、「旗が振れない」。りんたろー。さんの迷い
EXITは2020年4月、新型コロナの感染予防を呼びかける「コロナ注意喚起漫才」をYouTubeチャンネルに投稿。同時期にはAbemaTVのニュース番組でMCに抜擢され、時事ニュースなどのコメンテーターとしても活躍している。
若い世代に向けて、テレビやネット、SNSなどあらゆる場面で発信を続けてきたEXITだが、今は「何が正解かわからない状態」だという。
「どこの先頭に立っていいかわからないから、旗が振れないんですよね」と話し、「僕も毎日仕事で色んなところに出ているにもかかわらず、『みなさんステイホームしましょうね』。それはちょっと無理な話で。自信をもって発信できないというのが一個あるかもしれないですね」と迷いを打ち明けた。
「普段届かないところになにか感じてもらえらたら」
対談が放送されると、Twitter上ではりんたろー。さんの率直な意見に反響が寄せられた。関連ワードがトレンド入りし、「コロナ対策から若者置いてきぼり、との鋭い指摘」「尾身会長の絶望的な顔が印象的だった」など、コメントが相次いでいる。
りんたろー。さんは、放送後にTwitterを更新。
「35歳で若者代表ズラするチャラ男が ニューストレンド入りする世界線」とコメントした上で、「しかしこの貴重な機会を頂けたのもなんかの縁、普段届かないところになにか感じてもらえらたらと思い、踏み切りました」とつづった。