2020年の視聴者増加350%という鮮烈な数字をひっさげて、共同創業者であるJacie DeHoop(ジェシー・デュフープ)氏、Ellen Hyslop(エレン・ハイスロップ)氏、Roslyn McLarty(ロスリン・マクラティ)氏は、3GP Capital、JDS Sports、August Group、Even Odds Investments、Bettor Capitalなどの投資家から、初めてとなる100万ドル(約1億1000万ドル)のシード資金を調達した。カナダ事業開発銀行からも35万ドル(約3850万円)の融資が承認された。ベンチャーキャピタルおよび州によるクレジットインセンティブ全体の新規資金の合計は135万ドル(約1億4850万円)になった。
「スポーツ業界では、ご存知かもしれませんが、女性アスリートについて報道されるのは全体の4%未満であり、女性スポーツジャーナリストも全体の14%未満です」と、GISTの財務・オペレーション・成長の責任者でもあるマクラティ氏は説明した。「これは不思議なことではありませんが、私たちは女性として、伝統的な男性優位のスポーツメディアやスポーツの表現方法とは必ずしも同じ方法を採りません。そのため、コミュニティスポーツが提供できるものに参加するのは難しいと感じていました。同時に、メディア企業が視聴者とより本物の関係を築き、コミュニティを構築し直す動きが見られ、本当に効果を上げています」。
マクラティ氏はtheSkimm、Morning Brew、The Hustleなどの他のメディアベンチャーを、彼女やその共同経営者が見た中でうまく機能した例として挙げる。そのアプローチを、潜在的に未開拓となっている大勢の聴衆と組み合わせ、GISTの創業につなげた。最初はニュースレターだったが、ニュースサイトやポッドキャストなどに発展していった。
「私たちは、カジュアルなファンや女性のファンにとって、スポーツをより身近で、包摂的で、親しみやすく、楽しいものにすることを目的として始めました」とマクラティ氏はいう。「本当に誰にとっても、それは伝統的なスポーツメディアとは異なるものになりました」。
筆者はマクラティ氏に、同氏やその共同創業者らが特にメディアビジネスに参入したいと思った理由を尋ねた。彼女らの経歴はトロントのウォール街に相当するベイストリートで築き上げられたことを踏まえてのことだ。同氏は、3人が足場を固めるのに少し時間がかかったと認めた。だが今や同社のビジネスは、新しい、増えつつある視聴者を開拓した。これまでニーズを満たされてこなかった視聴者だ。そのおかげで、広告主とブランドパートナーシップを勝ち取ることもできた。
「私たちは本当に価値のある視聴者を発見したと考えています。ブランドパートナーがスポーツを通じて女性視聴者と交流する方法はまったくありませんでした」と同氏は語る。「そこで私たちはニッチな場所を見つけ、さまざまなものを作り上げ、本当に小さく進めて現在の姿に至りました。難しかったのは、現在の状態にもって行くために必要だった視聴者への初期投資でしたが、視聴者数が今の規模に達すれば、新たに視聴者が増えるごとにニュースレターの利益率は明らかにすばらしいものになります」。
GISTのパートナーには、NBA、FanDuel、Red Bull、Adidasなどのブランドが含まれる。2021年の売上高は前年比1000%以上の増加となり、総売上高100万ドル(約1億1000万円)を達成する見込みだ。同社は、コンテンツに関わる新入社員や、営業チームとオペレーションチームの追加の人員を含め、新しい資金をチームの拡大に使うと述べている。
画像クレジット:KATHERINE HOLLAND
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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi)
(この記事は5月22日TechCrunch Japan「スポーツ報道の現状に挑戦する女性によるスポーツメディアスタートアップ「The GIST」が1.1億円調達」より転載しました。)
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