大雨などの災害時に自治体が発表する避難情報の運用が、5月20日から新しくなりました。
警戒レベル4は「避難指示」となり、これまでの「避難勧告」は廃止されます。
新しい基準では、お年寄りや障害のある人が避難したり、その他危険を感じた人が自主的に避難したりするのがレベル3に。警戒レベル4までには必ず全員避難することになります。
さらにレベル5は、最も危険度が高いレベルで、緊急に安全を確保する行動をとるよう訴えるものです。
どう変わった?
NHKニュースによると、避難に関する情報はこれまで5段階の大雨警戒レベルに分けて運用されてきました。必ずしも的確な避難につながっていないとして、従来の基準が見直されました。
警戒レベルごとの変更点は以下の通り。
▽警戒レベル3「高齢者等避難」
これまでの「避難準備・高齢者等避難開始」から名称が変わりました。高齢者や障害のある人以外でも、「必要に応じ普段の行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、危険を感じたら自主的に避難するタイミング」としています。
▽警戒レベル4「避難指示」
従来は「避難勧告」と「避難指示」がありましたが、違いが分かりにくいことから、今回の運用見直しで一つになりました。危険な場所にいる人は全員、避難が必要になります。これまで勧告が出されていたタイミングで「避難指示」が出されます。
▽警戒レベル5「緊急安全確保」
災害が発生または切迫している状況で、最も危険度が高いレベルです。これまでの「災害発生情報」から名称が「緊急安全確保」に変更されました。
内閣府は、警戒レベル5は「すでに安全な避難ができず命が危険な状況」として、「警戒レベル5の発令を待ってはいけません」と注意を呼びかけています。さらに、市町村が災害の状況を確実に把握できるものではないなどの理由から、「警戒レベル5は必ず発令される情報ではありません」と説明しています。
避難のための「4つの行動」
内閣府は、避難する際の「4つの行動」を次のように紹介しています。
1)行政が指定した避難場所への避難
→マスクや消毒液、スリッパなどを持参しましょう
2)安全な親戚や知人宅への避難
→災害時の避難について、普段から相談しておきましょう
3)安全なホテルや旅館への避難
→事前に宿泊料の確認や予約をしましょう
4)屋内安全確保
→ハザードマップで3つの条件(1家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない、2浸水深より居室が高い位置にある、3水が引くまで耐えられる十分な水・食糧の備がある)を確認した上で、自宅にいても大丈夫か判断しましょう
内閣府は、豪雨時の移動は「車も含めて危険」として、やむを得ず車中泊をする場合は周囲の状況を十分に確認するよう呼びかけています。