テニスのイタリア国際・女子シングルス2回戦に出場した大坂なおみ選手(日清食品)の行為が、物議を醸している。
大坂選手は5月12日(現地時間)の試合で、米のジェシカ・ペグラ選手にストレートで敗れ初戦で敗退。思うようにプレーが出来ずフラストレーションが溜まった大坂選手がラケットをコートにたたきつけ破壊するという一幕があった。
この行為に注目が集まり、Twitterでは「ラケット破壊」が日本のトレンドになった。テニス選手が、孤独な戦いの中で自分への怒りなどからラケットを破壊することは過去に何度もあった。今回、ラケットを大坂選手に提供するYONEXはどう受け止めたのか聞いた。
大坂選手に対するコメントには中傷を含むヘイトも
大坂選手がラケットを破壊する場面があったのは、第1セットの後半。ラケットをテニスコートに3回ほどたたきつけて破壊した。
この行為自体は、プロテニスの試合では珍しいことではない。過去には、ノバク・ジョコビッチ選手や錦織圭選手もラケットを破壊した経験がある。
Twitterでは「ラケット破壊が話題になっているけど、テニスの試合ではよくある事」という意見もあった一方で「プロとして道具に当たるのはどうかと思う」と疑問の声もあった。
見過ごせないのは、コメントの中には大坂選手を中傷するようなヘイトコメントが散見されたことだ。
もちろん、今回の大坂選手の行為を「受け入れられない」としながらも、「ラケットを破壊することを人種やルーツに繋げることは違うと思う」というコメントもあった。
長年ラケットを提供、YONEXの見解は?
ハフポスト日本版は5月13日、大坂選手にラケットを提供する契約を長年の間結んでいるYONEXの宣伝担当者を取材。
今回の大坂選手の行為について、次のように回答した。
弊社のラケットは、自社工場で1本1本作り上げているものです。ですので、今回のような行為は決して望みません。大坂選手は世界ですでに活躍しているアスリートでありますので、影響力があります。ジュニア世代やキッズたちが今回のような行為を真似することを危惧しております。
引き続き用具の提供で大坂選手を支援し、応援する気持ちは変わらないとした上で、今後同じようなことがあれば、注意をする可能性があるとした。
このような行為がもしまたあった場合には、大坂選手のマネジメント会社を通じて、注意をさせていただくことがあり得るかもしれません。