日本のコカ・コーラシステムは5月31日から、「コカ・コーラ」シリーズや「ジョージア ジャパン クラフトマン」で100%リサイクルPETボトルを導入。
このリサイクルペットボトルは現在、「い・ろ・は・す 天然水」で使用されており、旗艦ブランドにまで拡大する。
ホルヘ・ガルドゥニョ社長が5月13日、サステナビリティ戦略の一環として発表した。
これにより、1本あたり約60%、全体で年間約3万5000トンのCO2排出量を削減できる計算。また、石油由来原料から作られる新たなプラスチックを約3万トン削減できる見込みだという。
同社は使用済みPETボトルを回収し、新たにPETボトルとして再生する「ボトルtoボトル」を進め、2030年までに石油由来原料を使用したペットボトルをゼロにすると目標を掲げている。
2020年に28%だったリサイクルPET樹脂使用率は、今回の100%リサイクルPETの使用拡大で2022年には50%、2030年には90%に達する見込み。
容器の軽量化を図ることで容器1本あたりのプラスチック使用量をさらに削減していく。
容器の重さは、「コカ・コーラ」シリーズ(700ml)では42gから27gに、「ジョージア ジャパン クラフトマン」(500ml)では19.5gから17gになる。
また、旗艦製品への100%リサイクル PET ボトル導入に加え、容器包装に使用されるプラスチックの削減をさらに進めるため、一部エリア・チャネルにおいて、紙カートンを使用した「コカ・コーラ」などのラベルレス4本マルチパックのテスト販売を開始する。
サステナ担当者「業界をリードしていきたい」
業界団体(日本全国清涼飲料連合会)は4月19日、業界として2030年までに、使用済みペットボトルを再びペットボトルにリサイクルする数値目標を、販売総量の50%へ引き上げると発表した。
その目標に対して日本コカ・コーラは、業界内で一足早く2022年までに達成するとしている。
現在の課題としては「リサイクルとして回収したペットボトルの品質」があるという。
ペットボトルをリサイクルするためには、キャップとラベルを外し、中身を洗って綺麗な状態で回収するのが望ましいが、それが出来ていなかったり、ペットボトル回収ボックスにペットボトル以外のゴミが入っていたりと、まだリサイクルするにあたりロスがあるのが現状だ。
今後も引き続き、行政や民間企業、消費者と共にパートナーシップを組み、状況を改善していくとのこと。
日本コカ・コーラのサステナビリティ担当者は、ハフポスト日本版の取材に対し、「我々のように大きなシェアをいただいているメーカーが率先して、容器の回収やリサイクルに取り組むことは企業の責任だと思っている。今後も引き続き、業界をリードしていきたい」と語った。
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