開けるまで中に何が入っているか分からない「ブラインドボックス」が人気の中国で、通常のフィギュアなどの代わりに生きた犬や猫を詰めた「動物版」とみられる商品が流通していたことが分かり、批判を呼んでいる。
■「人間のやることではない」
きっかけになったのは、中国四川省・成都市の動物愛護団体「成都愛之家動物救助センター」が5月3日、SNSに投稿した動画。成都市にある物流業者「中通(ZTO)」のトラックの荷台に、犬や猫が箱詰めにされたケースが積みあがっていた。
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救助センターや現地メディアによると、犬や猫は160匹余りいて、いずれも生後数カ月だった。荷台からケースを降ろし、ボランティアらが餌を与えるなど夜通しケアにあたった。しかしすでに死亡した個体もいて、道端に捨てられていたという。
中国では、開けるまで中身が分からない「ブラインドボックス(盲盒)」という商品が人気だ。通常はフィギュアなどが入っており、コレクションとして集める人もいる。
今回見つかった犬や猫はネットの通販サイトで売買されていたことがわかっていて、「動物版」のブラインドボックスだった可能性がある。
この一件を受け、中国のネットでは「人間のやることではない」「規制すべきだ」などのコメントが相次いだ。国営放送・CCTVは物流業者に対し「知っていながらやるべきではない」と批判した。
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中通は批判を受け、5月4日に問題のあった拠点の業務停止や研修の強化などを実施すると発表。「公衆や顧客に謝罪する」とした。
救助センターによると、生きていた犬や猫は5月5日、センターの拠点に移された。一方で38匹に感染症の症状があり、病院で治療を受けているという。