ライブ・エンターテインメント市場の調査を行う「ぴあ総研」は、コロナ禍の2020年、音楽フェスティバルの市場規模が6.9億円となり、前年比およそ98%減だったことを発表した。
市場規模は前年の330億円から97.9%減の6.9億円、総動員数は295万人から96.8%減の9.3万人と、ともに激減した。
4大フェス、すべてが開催断念。
調査では、2020年1月~12月に開催された、音楽ポップス分野のフェスティバル形式(同時間帯に複数アーティストが出演する形式)で行うイベントを対象とした(オンラインライブは含まず)。
市場規模、動員数ともに2011年以降上昇の傾向にあり、2019年は、市場規模330億円、動員数295万人までそのマーケットを拡大させていた。
しかし、2020年はともに大きく落ち込む結果となった。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、多くの音楽フェスの中止や延期、規模縮小が相次いだことが考えられる。
発表では、落ち込みの理由について、政府の要請で2月26日からイベントが開催できなかったことに加え、5月以降は「イベント開催の人数制限が段階的に緩和されるなか、全国的・広域的なお祭りや野外フェス等については、開催そのものの制限が9月18日まで続き、その後も十分な間隔を確保しての開催となった」ことを挙げている。
そして「音楽ポップスフェス市場へのマイナス影響は、苦境の続くライブ・エンタテインメント市場のなかでも極めて大きなもの」とまとめた。
例年、ゴールデンウィークや夏にかけての期間や、年末年始などにも屋内外で多くの音楽フェスが開催されてきた。
2020年、「4大フェス」と呼ばれる日本最大規模の「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」と「ライジング・サン・ロックフェスティバル」は開催中止となり、「フジロック」や「サマーソニック」は翌年への延期を発表した。
一方で、感染防止対策を徹底した方法も模索され、10月には「ドライブイン」式での音楽フェス「DRIVE-IN LIVE PARKED」なども開催された。
2021年は、例年海外アーティストを多く招いていた「フジロック」は国内のアーティストのみの出演にするなどし、8月に開催を予定している。