Twitterで拡散力があり「バズる」のは、どんなツイートなのかーー。
SNSが日常生活や経済活動において大きな影響力をもつツールになる中で、「拡散される」ことにより重きが置かれるようになっている。
スペインのハエン大学の研究チームが調査した結果、Twitterで拡散される可能性を高めるのは、ネガティブな感情を伴うツイートであるという傾向が明らかになった。
ネガティブ含むツイート、RTが多い
これまでのTwitterの拡散力にまつわる調査では、「フォロワー数」「画像や動画、ハッシュタグ、URLなどのツイートの機能」「ツイートの主題」などについて研究されていたが、ツイートの「感情」に着目した研究はあまりなかったという。
ハエン大学のチームでは、スペインで政治的な分裂を引き起こしたという2017年の「カタルーニャ独立住民投票」の時期のツイートを分析することで、ツイートに含まれる感情が、拡散力にどんな影響を与えるか調査した。
投票が行われた2017年10月1日の週に、Twitterに投稿された「#CatalanReferendum」「#ReferendumCatalan」などのハッシュタグを利用し、2万5847のユーザーアカウントから全4万6962のツイートを収集。
フォロワー数や、ツイートでの画像等の使用といった要素を制御しながら「感情」に関する傾向を分析すると、少なくとも政治的な話題に関しては、ネガティブな感情を含むツイートのほうが、ポジティブな感情を含むツイートよりもRT(リツイート)され、幅広いユーザーにリーチする傾向が高いことが明らかになった。
トピックにより変わる可能性も
だたし、この調査結果には注意も必要だという。
ガーディアンの取材に対し、研究チームは、「ネガティブなツイートは、ポジティブなツイートよりも拡散力が高いことを示しているが、これはトピックによって変わる可能性がある」と説明した。
また、マンチェスター大学のエスメラルダ・ボン教授はこの研究結果について、「SNSにおいて、ポジティブであることよりも、ネガティブであることに価値があると解釈されるべきではない」と注意を促した。
ボン教授は、ガーディアンに対し、「研究者たちは、カタルーニャ独立投票をめぐり否定的な声が多かったため、ポジティブなツイートがあまり共有されなかった可能性を示唆しています。この件に関しては、否定的なツイートが主流でした」と、当時のツイートの全体の傾向について指摘している。