大手コーヒーチェーンのスターバックスが、韓国で使い捨てカップの利用を2025年までに廃止することになった。同社の韓国法人が発表した。ブルームバーグやニューヨーク・タイムズによると、同社として初めての取り組みとなる。
また、同年までに韓国での二酸化炭素排出量を30%削減する目標だという。
デポジット制度を導入
同社は、韓国・済州の一部店舗を対象に、2021年7月から新たに「カップ循環プログラム」を開始。2025年までに4年かけて、順次各都市に拡大していくという。
このプログラムでは、店舗でコップを使用する際に、デポジット(預かり金)を支払うことで繰り返し使用できるカップが提供される。提携するキオスクにカップを返却する際に、デポジットが返金されるというシステムだ。
同社はこの取り組みにより、「使い捨てカップから再利用可能なカップへの移行を促進し、2030年までに埋め立てごみを半分に削減するという世界的な目標に一歩近づいた」としている。
1年間の使い捨てカップ約70億個
ブルームバーグやCNBCによると、スターバックスでは、1年間におよそ70億個の使い捨てカップを使用しており、その多くは埋め立て地へ送られるという。以前から、再利用可能なカップを利用するための取り組みを続けていたが、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され、その取り組みは一時停止していた。
同社の発表によると、韓国は世界で5番目に大きなスターバックスの市場規模であり、78都市に1500を超える店舗がある。2018年に紙製ストローやストローなしの蓋を導入するなどし、同社の店舗として初めてプラスチック製ストローの使用を廃止。プラスチックごみによる海洋汚染が危惧される中、積極的な取り組みが行われてきた。
2050年までに温室効果ガスをゼロにすることを約束した韓国は、2月に一連の法律を改正。小売業者、食品配達サービス、ホテルからのプラスチックやその他の使い捨て製品の使用をさらに制限した。
スターバックアジア太平洋地域のサラ・トリリング社長は、「スターバックスコーヒーコリアは、私たちの国際的なサステナビリティのリーダー」だとし、「この率先した取り組みから学べることを、私たちの店舗に対する意義ある変化へとつなげ、将来的には、そのイノベーションを各地域や世界的に広げていけることを楽しみにしている」とコメントしている。