日本では毎年20人近くが、スズメバチに刺されて亡くなっています。被害を防ぐには、今の時期に対策を打っておくことが重要です。スズメバチの生態を参考に、その退治の方法をご紹介します。
スズメバチの1年
ハチ被害の中で日本で最も多く報告され、重症例も多いスズメバチ。毒性は非常に強力で、攻撃性の高い、凶暴な種類も多くみられます。
女王バチは冬眠し、翌春、目を覚まして営巣を開始します。働きバチは7月頃から羽化を始め、9月から10月にかけて巣の中のハチの数は最大になります。しかし、ひとつの巣が1年を超えて活動することはなく、新しい女王バチ以外の元女王バチ・働きバチ・雄バチは基本的には冬を越せず、死んでしまいます。
種類によって活動の時期は異なりますが、攻撃性の増す時期に巣へ近づくと威嚇・攻撃を受けるので大変危険です。
女王バチをおびき寄せる
春は、土の中などで越冬した女王バチのみしかおらず、冬眠から目覚めた直後で、大変弱っているため、人を刺すことはまずありません。エサである樹液や蜜をなめて、体力を回復してから、女王バチは巣を作り始めます。
そこで巣を作り始める前にこれを駆除してしまえば、スズメバチの大軍に襲われる心配もありません。今この時期に女王バチを1匹捕獲することは、夏に大群を全滅させることに匹敵するといわれているのです。
そこで、簡単にできる女王バチを捕えるワナを、長年スズメバチ対策をしてきた木更津市観光ブルーベリー園協議会の江澤貞雄さんに伺いました。
果実酢で作る”女王バチホイホイ”
【用意するもの】
・ペットボトル (2L用・凸凹がない炭酸飲料用のものが、侵入したスズメバチが這い上がりにくいのでオススメ)
・梅酢、リンゴ酢、ブドウ酢(このうち2種類でもいいが、3種類あるとベスト)
・針金
【作り方】
1、ペットボトルの上部にハチの侵入口を作る。カッターナイフで3辺に長さ2cmほどの切り込みを入れ、上部を折り曲げる
2、木に吊るすため注ぎ口に針金を取り付ける
3、等量ずつ酢を混ぜて、深さ5cmぐらいまで注ぎ、栓を閉める
4、スズメバチが飛来しそうな木を選び、背丈より少し高い位置に吊るす
5、ペットボトルがスズメバチでいっぱいになったら、スズメバチを取り出して酢を補給する
軒下でいつの間にか巣を作っているスズメバチ。夏の被害を防ぐため、今から対策を打ってみてはいかがでしょうか。
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