新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、大阪府、兵庫県、宮城県の3府県で「まん延防止等重点措置」(まん防)を適用することが4月1日に決まった。朝日新聞など報道各社が報じた。
緊急事態宣言の前の措置である「まん防」が適用されるのは、今回が初となる。
「まん延防止等重点措置」の内容は? 緊急事態宣言とは何が違うのか? 要点をまとめた。
「まん延防止等重点措置」とは?
「まん延防止等重点措置」は、2021年2月に成立した新型コロナ対策の改正特別措置法で新設された。厚生労働省の資料によると、一部地域における感染の急拡大を封じ込めることが目的であり、ステージⅢ相当である他、感染拡大の状況を勘案して適用される。
ステージⅣが適用の目安となる緊急事態宣言は、都道府県単位で発令されるのに対し、まん防では、知事が市区町村を指定し、特定の地域に対し措置を講ずることができる。
Q.対象地域は?
まん防では、政府が定めた都道府県の知事は、感染の状況等をふまえ、市区町村や区画等、特定の区域を限定して措置を講ずることができる。
大阪府、兵庫県、宮城県の3府県の特定の地域を対象に、4月5日から5月5日まで適用される。
Q.飲食店などの対策は? 罰則は?
知事は、飲食店など措置を講ずる必要がある業態に属する事業者に対し、営業時間の短縮などを要請することができる。事業者が要請に応じない場合は、命令することもできる。要請と命令、いずれの場合も事業者名を公表することも可能だ。
NHKなどによると、緊急事態宣言と異なり、休業を要請することはできない。
また、正当な理由なく命令に応じない事業者や、立ち入り検査などを拒否した事業者に対し、罰則として20万円以下の過料が科される。
Q.住民への要請は?
知事は、該当地域の住民に対し、知事が定める区域や業態にみだりに出入りしないこと、またその他の感染防止に必要な協力を要請することができる。
3府県以外、今後どうなる?
まん防の検討地域にあがっていた山形県と沖縄県への適用は今回見送られた。
東京新聞によると、東京都の小池百合子知事は3月31日、大阪府の政府への要請を受け、「医療提供体制(の確保)と変異株検査をしっかり進め、都民の命と健康を守っていく」とし、まん防をめぐる具体的な考えは明らかにしなかった。
【UPDATE 2021/04/02 09:50】
4月1日午後に3府県での「まん延防止等重点措置」の適用が決定したため、一部内容を変更しました。