空手の東京オリンピック女子61キロ超級代表の植草歩選手が3月28日、指導役の全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫強化委員長による暴力的な指導やパワハラ行為があったとブログで告白した。
植草選手はこれまでに、香川氏からのパワハラ被害を訴えていることがメディアで報じられていた。
香川氏は毎日新聞の取材に「五輪選手の顔を突いてけがをさせるようなことはしない」と否定している。
竹刀による「稽古」
植草選手はブログで、香川氏の竹刀を突きやけりに見立てた「稽古」で、左眼を負傷したとつづっている。
顔面目がけた竹刀が植草選手の左目に直撃し、「左眼球打撲傷」と診断されたという。
選手は防具着用が許されず、先端にスポンジをつけるといった防止策を申し入れても「植草は、その恐怖心があるから強くなれない」などと聞き入れられなかったと訴えている。
香川氏からけがのケアや謝罪はなく、複数の選手が顔や目付近を負傷したという。
また、2020年9月頃から「自立心・自尊心を傷つけられたり、大声で怒鳴られたりすることが多くなりました」ともつづっている。
代表合宿めぐりJOCの相談窓口に
3月のオリンピック強化合宿への参加をめぐり、日本オリンピック委員会(JOC)の通報・相談窓口に連絡したとも明かした。
植草選手は、肉離れによる1週間の離脱を理由に、医師から練習再開の許可が出たにも関わらず、合宿参加を香川氏に阻まれたと主張している。
最後に、メディアで報道されたことやブログで説明することついて「私はこれから空手界で生きていく場所を失ってしまうのではないか、さらに、東京オリンピックに向けた準備も十分にできなくなってしまうのではないか等をずっと思い悩んできました」と心中を打ち明けた。
全空連は、31日に両者から事情を聴く倫理委員会を開く予定と報じられている。
ハフポスト日本版は、全空連に事実関係や今後の対応などについて問い合わせている。