東京都・足立区が3月18日、経済的負担などさまざまな理由で生理用品を購入できない人を支援するため、防災備蓄用の生理用品を配布することを発表した。
配布日時は3月22日(月)から26日(金)まで。
オンライン調査では「生理の貧困」に直面する女性たちの存在が明らかになっており、自治体で生理用品を無料配布する動きが広がりはじめている。
北区や多摩市でも配布へ 生理の貧困問題に支援広がる
東京都内でいち早く「生理の貧困」問題に取り組んだ自治体の一つが、豊島区だ。1月に立ち上げた若い女性に対する支援策を検討するプロジェクトで生理用品を求める声が上がったことを受け、3月15日から19日まで、必要とするすべての人を対象に生理用品を無料で配布した。
足立区でも22日から26日まで、1家庭につき原則1パックまで、生理用品を無料で配布するという。公式サイトによると、区役所などで計500パックの生理用品を配布する。
本人証明などの提示は必要なく、個人情報も聞かれない。スマートフォンなどで公式サイトの画面を提示するか、窓口に設置してあるカードを指差すことで受け取りが可能なため、声に出して頼まなくても受け取ることができる。
また、北区でも生理用品の支給が決まったという。北区議会議員の山崎たい子氏やうすい愛子氏によると、防災備蓄の生理用品2500セットを無料配布するという。配布場所は「北とぴあ」内の「スペースゆう」や相談窓口などを予定しており、詳細は北区公式サイトなどで案内されるという。
朝日新聞デジタルによると、多摩市も支援をはじめた。市立の全小中学校で、希望する女子児童や生徒に生理用品を配布するという。
東京都以外では、兵庫県明石市が4月から生理用品の無料配布を開始する。
調査では5人に1人が生理用品の入手に苦労
「生理の貧困」については、若者グループ「#みんなの生理」が3月上旬、SNSで呼びかけて行ったオンライン調査で、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者の割合が20.1%だったと発表。
大きな話題となり、対策を求める声が広がっている。
世界では、生理の貧困への対策を進める国も相次ぐ。
スコットランドは2020年11月、世界で初めて生理用品の無料提供を定める法律が成立。ニュージーランドは、2021年6月から学校で生理用品を無料で提供することを決定した。フランスもこの2月、全ての大学生に対して生理用品を無料で配布すると発表している。