サクサクの食感がくせになる、コーンフレークの「シスコーン」。
そのパッケージが、どんな利き手の子どもにもやさしいデザインを取り入れているとして話題になっている。
「シスコーンBIG」の包装袋で、おもて面の左上には「みぎききの人 左手」と書かれ、キャラクターのシュガーちゃんが赤い丸を持っている。反対側の右上には「ひだりききの人 右手」と書かれ、別のキャラクターのチョコ兄やんが青い丸を持つ。
同様に、おもて面の左下には「ひだりききの人 左手」、右下には「みぎききの人 右手」と書かれ、対角線上に同じキャラクターと同じ色の丸が描かれている。
パッケージの背面では、前の面にある『持ち手マーク』の意味を次のように説明している。
<そそぎやすい持ち手マーク>
「みぎききの人はあかを両手で持ってサッサッサッとふりながらそそいでね!」
「ひだりききの人は、あおを両手で持ってサッサッサッとふりながらそそいでね!」
この説明の通りに袋を持つと、右利きの人は袋を左に傾けて、左利きの人は右に傾けてフレークを注ぐことができる。
切り取り線も描かれている
なぜこのようなデザインを取り入れたのか?
シスコーンを製造・販売する日清シスコの担当者によると、左手と右手を添える位置を示した『持ち手マーク』は子どもが器にシスコーンを注ぎやすくするために考案され、2018年から採用しているという。
購買層の中心は、主に小学生以下の子どものいる家庭。「お子様の健やかな成長を応援したいという思いのもと、親子のための企画の一環として、お子様の朝食作りを応援するために導入しました」と担当者。
背面に記載されている持ち手マークの説明の横には、少しずつフレークを出したい人に向けて
「みぎききの人は、あかの線にそってあけてから…」
「ひだりききの人は、あおの線にそってあけてから…」
「表の持ち手マークを持つとちょっとずつそそぎやすいよ!」
と記されている。パッケージの上部には、赤と青の切り取り線が描かれている。
「ちょっとずつ注ぎたい時に使える『あんしんOPENガイド』は、持ち手マークを取り入れた次の年の2019年から付けています。こちらも右利き・左利きの両方のパターンを掲載し、袋を傾けた時に一気に出てしまったり、こぼれたりするのを防ぐ仕掛けとなっています」
「一つの成功体験に」
シスコーンBIGは一袋220グラム。袋を持ち上げて傾け、自分が食べ切れるちょうど良い量を器にうまく注ぎ入れるのは、幼い子どもであればたしかに簡単ではない。イラスト付きの案内があれば、子どもも一人でチャレンジしやすい。
「私たちはお子様の成長過程において、自分一人で何かを成し遂げる成功体験をすることが重要だと考えています。シスコーンはお皿に注いで牛乳をかけるだけで食べられるので、小さな子どもも簡単に準備ができ、成功体験を得られやすい商品です」(担当者)
「シスコーンを通じて一つの成功体験をしてもらいたい。そんな思いから、『持ち手マーク』はシスコーンのキャラクターたちと赤や青の色使いで、文字の読めない小さなお子様も理解しやすいデザインにしています。同時に、保護者の方にもお子様の成長を実感してもらいたい、という思いもあります」
シスコーンのデザインに対し、Twitterでは「みんなにわかりやすいって素敵」「うちには右利きも左利きも両方いるので、めっちゃ助かります」「子どもが自分でできるようにって姿勢に企業を応援したくなる」など好意的な声が広がっている。