まるでジェットコースターに乗っているみたい。
ボウリング場を駆け抜ける大迫力のドローンの映像が、多くの人を魅了している。
ビデオは「Right Up Our Alley」と題する、約1分半の映像。アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスのボウリング場「ブライアント・レイク・ボウル&シアター」で撮影された。
こちらが、多くの反響を呼んでいるドローンの映像だ。
上空から舞い降りたカメラは、店の出入り口をすり抜ける。ボウリングのレーンの間を回旋し、さらに普段見ることができないボウリング場の「舞台裏」へ。プレイヤーの足の間をくぐり抜け、狭い通路を器用に通過してバーやシアターの客たちを映し出す。ラストには、カメラがボールになったかのように急速にピンに近づき、豪快に衝突する。
Star Tribuneによると、ビデオはミネアポリスを中心に活動する「ラリースタジオ」が制作し、25歳の撮影監督ジェイ・クリステンセンさんが撮影を担当。アンソニー・ジャスカさんが監督としてサポートした。
臨場感あふれる映像はネット上で拡散。視聴回数は数十万回に上る。
地元への思いが詰まっていた
「ブライアント・レイク・ボウル&シアター」の公式サイトによると、施設は1936年にオープンした。ボウリング場のほか、レストランやシアター、バーも併設している。
ラリースタジオのプロデューサーであるブライアン・ハイマンさんは、ニューヨーク・タイムズの取材に対し、今回の動画は、新型コロナウイルスの脅威にさらされているミネソタ州周辺の地元企業を記録するプロジェクトの一環として作成された、と話している。ミネソタ州では、2020年11月のピーク時、1日に6000件を超える新規の新型コロナの感染者が報告された。
ハイマンさんは「私たちの心のすぐそばにあり、大切な場所です」と語っている。「そのため、私たちがこの企画を施設のオーナーに持ちかけたとき、オーナーは全面的に賛同してくれました」
さらに、ミネアポリスはコロナ以外の大きな困難にも見舞われていた。
黒人男性のジョージ・フロイドさんが2020年5月、ミネアポリスの白人警察官に膝で首を押さえつけられ、死亡する事件が発生。抗議運動の一部が暴動に発展し、複数の建物が甚大な被害を受けた。
クリステンセンさんは、Star Tribuneのインタビューに「(地元の)レイクストリートの未来はどうなるのだろうと思いました。ブライアント・レイク・ボウルはコミュニティにとって欠かせない存在であり、この場所がなくなってしまうのは納得できませんでした」と答えている。
臨場感あふれる“新感覚”の映像に、映画業界から称賛の声が相次いでいる。
映画『トイ・ストーリー3』や『リメンバー・ミー』などの作品を手掛けたリー・アンクリッチ監督は、「これは私が今まで観た中で最もすばらしい作品の一つ。開いた口が塞がらない」とツイートし、絶賛した。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督は「今年後半にVol.3を撮影するときに、私たちと一緒にロンドンに来てほしい」と動画の制作者たちに熱い視線を送る。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで主人公を演じた俳優のイライジャ・ウッドさんも「まじかよ」と驚嘆のツイートをした。
ハフポストUK版の記事などを参考に、翻訳・編集しました。