あなたは真の「透明なイカ」を知らない。
そんなことはない、と思うかもしれません。
もしいま、北海道・函館や佐賀・呼子の「新鮮なイカ」を思い浮かべたとしたら。残念ながら、あなたが見たイカは「透明」ではありません。
「トウガタイカ」を知っていますか、と聞いたらどうでしょう。
もう答えは出ましたね。
それでは真の「透明なイカ」をご覧ください。
目を疑いたくなる映像です。
透明過ぎて、細かい点が浮いているようにしか見えません。
よくよく見ると、イカの形が浮き上がっているように感じます。
これがイカだとは信じ切れない人は、こちらの動画もどうぞ。
横から見ると、何とかイカに見えて一安心。
これが真の透明なイカ、トウガタイカの姿です。
体の表面には黄色い斑点が見えます。
ツイートでは「生き残るため目と内臓以外は透明にしたという最高に面白いイカになります!生きている姿は非常に貴重です」とつづっています。
この動画を投稿したのは、魚類研究者で高校生の饗場空璃(あいば・そらり)さん。
駿河湾に行った際に、一緒にいた友人がトウガタイカを発見したといいます。
トウガタイカは、ツツイカ目サメハダホウズキイカ科に属します。
日本分類学会連合の公式サイトによると、サメハダホウズキイカ科は、「既知種数」(日本の領土や排他的経済水域で生息が報告されている)が14で、研究状況はC(未記載種が多く、分類学的研究が不十分)に分類されています。
見た目のインパクトはもとより、非常に珍しい種類のイカということです。
饗場さんは「深海に生息し、正体が分かっていない非常に珍しいイカなのですが、今回こうして間近で拝見し透明具合など非常に魅力に包まれたイカだと分かりました」とハフポスト日本版に説明します。
目にした時の印象を「荒れた海からあの透明なイカを採集した友人に脱帽しつつ、図鑑の中でしか見たことがない存在に非常に感銘を受けました」と振り返ります。
饗場さんは普段から、SNSなどを通じて様々な生物を紹介しています。
動画が反響を呼んだことについて「私のツイートでは様々な生物を皆様に知って頂きたいという思いから活動しており、今回沢山の皆様にこうした不思議なイカをお見せすることが出来非常に光栄に思っております!」と喜びました。