ベトナムの配達ドライバーが、12階のバルコニーから落ちた子どもを奇跡的にキャッチし、「ヒーロー」と呼ばれている。
31歳のグエン・ゴック・マンさんが2月末、ベトナムの首都・ハノイの高層ビルにある複合施設に荷物を届けようとしたところ、子どもの泣き声と女性の悲鳴が聞こえてきた。初めは子どものかんしゃくだろうと考えていたと、Anninhthudoに語ったとEvening Standardは伝えている。
しかし、通りの人々がパニックになって叫んでいるのに気づいたマンさんは、窓を開けて建物を見上げた。VN Express Internationalによると、およそ50メートルの高さに女の子がぶら下がっているのを見つけたという。
その心臓が止まりそうなほどの緊迫した状況は動画に収められ、ソーシャルメディアで拡散された。
自身も父親であるマンさんはすぐにトラックから飛び出すと、少女がどこに落ちてくるかを測ろうと車が停車していた場所とアパートの間の1.8メートルほどの壁を登った。
「登ってみると、発電機の金属製の屋根の上に落ちる可能性があると分かったので、その上に登りました。しかし、屋根が曲がっていてしっかりと立つことができなかったんです」とマンさんはVN Expressに語る。
女の子がバルコニーの手すりを掴めなくなって落下した時、マンさんは足を滑らせてしまった。しかし身を乗り出し、どうにか女の子を受け止めた。
女の子は泣いていなかったが、口から血が滴っていたという。
「彼女は私の子どもにとてもよく似ていました。私はとても混乱して、ただ『お願い、お願い、もう大丈夫だよ』と言うことしかできなかった」と振り返った。
女の子は病院に運ばれ、股関節の脱臼を治療したが、他の怪我はなかったという。マンさんは腕を捻挫した。
多くのソーシャルメディア上でマンさんはヒーローだと称賛されたが、彼はその称賛を気にせず「正しいことをしただけ」とVN Expressに語っている。
ハフポストオーストラリア版を翻訳・編集しました。