「新境地の女性たちが、日々ガラスを壊し続けていることの象徴です」ーー。
国際女性デーの3月8日、ニューヨークの「Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)」の周りに、壊れた「ガラスの天井」のアートが設置された。
ガラスの天井とは、女性や社会的マイノリティの人々が組織の要職につけないなどの「目に見えない制限」を現した例えとして使われる。
注目浴びたFearless Girl
少女の像は、2017年3月の国際女性デー前日、ウォール街の公園にある有名な雄牛像(チャージング・ブル)の前に対峙するように置かれて世界の注目を集めた。
アメリカの雑誌「TimeOut」などによると、像は資産運用会社「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)」から委託を受けた芸術家クリステン・ヴィスバル氏によって設計された。
当初は1週間限定のキャンペーンが想定されていたが、少女の像はすぐに人々から愛されるシンボルとなり、翌18年12月にニューヨーク証券取引所の前へと移り常設された。
像近くの銘板には、「きょうの壊れたガラスの天井は、明日の足がかり」と刻まれている。
「数えきれない女性が従来の考え方に挑戦」
今回のアートには、どんな思いが込められているのか?
SSGAの社長兼CEOのサイラス・タラポールヴァラ氏は、同社公式サイトで次のように述べている。
「恐れを知らぬ少女が、世界のビジネスリーダーにすぐに、紛れもないメッセージを送ってから4年が経ちました。『リーダーシップに強い女性がいることが重要だ』というメッセージです。
それ以来、世界中で数えきれないほど多くの女性たちが、企業の役員室、フォーチュン500に選ばれた企業、または欧州委員会からホワイトハウスにいたるまで政治の最高レベルのポジションで、従来の考え方に挑戦してきました。
きょう、国際女性デーを祝って、恐れを知らぬ少女の周りに壊れたガラスの天井を設置しました。これは、新境地の女性たちが日々ガラスを壊し続けていることの象徴です」
Fearless Girlを仕掛けたデヴィカ・ブルチャンダーニさんは2018年、ハフポスト日本版のインタビューに応じ、少女の像に託した思いを次のように述べていた。
「この取り組みは、私自身にとっても非常に大事なものでした。未来の世代の職場環境をどう変えられるか。未来の世代の女性たちはどんな風に立場を得ることができるか。私には14歳の娘がいますし、彼女はどうなるのだろうかと」
「世界は着実に変わっている。私はそれが嬉しいし、誇らしいんです」