東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は3月3日、理事数の上限を増やした上で、五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さんら女性12人を選出したと発表した。
きょう開かれた臨時評議員会で決議された。
新たに理事に選出されたのは、高橋尚子さんやパラリンピックアルペンスキー金メダリストの大日方邦子さんといったアスリート、スポーツマネジメントやジェンダーの専門家、アイヌ関係者ら。
12人の女性理事は以下の通り。
敬称略、()内は発表された主な肩書き。
▽大日方邦子(一般社団法人日本パラリンピアンズ協会会長、パラリンピックアルペンスキー金メダリスト)
▽齋木尚子(東京大学公共政策大学院客員教授、日本スケート連盟副会長)
▽佐々木かをり(株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長)
▽白石弥生子(東京都障害者スポーツ協会会長)
▽白波瀬佐和子(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
▽高橋尚子(日本オリンピック委員会理事、シドニー五輪マラソン金メダリスト)
▽芳賀美津枝(登別アシリの会代表)
▽林いづみ(桜坂法律事務所パートナー弁護士)
▽日比野暢子(桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授)
▽籾井圭子(日本オリンピック委員会常務理事)
▽矢野晴美(国際医療福祉大学医学部医学教育統括センター副センター長)
▽來田享子(中京大学スポーツ科学部教授)
評議員会では、理事数の上限を10人増やして「45人以下」とする定款変更が決定。現職33人は留任し、理事会が推薦した候補12人が選出された。
これにより、女性理事の比率はこれまでの約20%から42.2%(45人中19人)になったという。
橋本聖子会長は3月3日、評議員会後に報道陣の取材に応じた。
人選の理由について「多様性と調和、ジェンダー平等、さまざまな角度からご意見をいただける方に参画してもらうため、このような人選に至った」と説明。
アイヌ関係者の選出経緯を問われると「日本として、アイヌ民族の伝統・文化は素晴らしいレガシーになると確信している。世界に発信することがより多様性と調和になると思い人選した」と述べた。
理事数が多すぎるという指摘に対しては「数を増やせばいいというわけではないが、比率を40%にあげることで、スポーツ界や社会全体が一つの発信をする上で大きな影響になる。大事なのは何をするかだ」と述べた。
森喜朗前会長の女性蔑視発言を受けて、橋本新会長は組織委の女性理事比率を40%にすると掲げていた。